クロスカントリー

　日本距離陣に躍進の鍵を握る「マル秘ワックス」が用意された。スキー距離の夏見円（３１＝ＪＲ北海道）ら五輪代表６人が９日、バンクーバーに到着。その後の会見で、佐藤志郎監督は「秘密のワックスを持参した。当たればメダルが見えてくる」と秘策を明かした。

　この日、バンクーバー空港まで、約１５本のワックスを４人で手分けして持ち込んだ。可燃物で液体のものもあり、没収の可能性もあるための措置。佐藤監督は「取られたら困るから」と最善の注意を払った。

　ウィスラーはこの日も最低マイナス４度、最高５・４度と寒暖の差が激しい。雪質が変わり、ワックス選びの優劣が勝敗を左右する。同じような雪質だった昨年２月の世界選手権で使用した分も含め、日本製と外国製のさまざまな用途に適したもの準備した。

　情報漏れ防止のため、成分やメーカーなど具体的な内容は明らかにしなかったものの、佐藤監督は「いろいろ試していいものを使う」と、テストを重ねながら最高のものを探し求めていく。３大会連続出場の夏見は「メダルが届くところにきた」と気合十分。勝負ワックスが距離初のメダル獲得へ大きな力となる。【松末守司】

　［2010年2月11日9時9分　紙面から］

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