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ノルディック複合

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小林残り1キロで首位も失速7位/複合

先頭集団で力走する小林(左)(共同)
先頭集団で力走する小林(左)(共同)

<バンクーバー五輪:ノルディック複合>◇14日(日本時間15日)◇ウィスラー五輪公園

 スキー複合個人ノーマルヒルで日本のエース小林範仁(27=東京美装)が、7位入賞を果たした。同競技での入賞は02年ソルトレークシティー大会の高橋以来2大会ぶり。後半距離で一時はトップに躍り出るなど、お祭り男の本領を発揮した。

 悔しさよりも充実感が胸に充満していた。小林は競技後、開口一番「興奮した人! は~い。ボクはそれで満足です」。強豪を相手にひるむことなくレースを作った。金メダルの快挙は逃したが、攻めの姿勢を貫いた走りは、見る者の記憶に刻まれた。

 お祭り男のスイッチが入った。前半ジャンプ12位で折り返した後半距離。残り1キロを切ったところでスパートした。「ボクのハートが『行け行け』と言った。『目立つチャンスだ』」。下りを利して8人の集団から抜け出した。約70秒でかわされたが、約1キロは金メダル級の存在感だった。「少しでも1番を走れて良かった。悔しいけど気持ちいい」と満足げな表情を浮かべた。

 自慢の走力は元複合選手だった父博さん(59)と作り上げてきた。父は自宅の裏をスノーモービルで固め、練習場にした。その坂を小林少年は何度も上り下りした。数キロの学校からの帰り道を走って帰る息子のために、車のライトで夜道を照らし続けた。競り合いに強い走りの礎は、このときできた。

 23日に団体、25日には個人ラージヒルが控える。「この結果は次につながる。テレビの前の人たちをまた興奮させたい」。親子鷹で目指すメダルへの道にはまだ続きがある。【松末守司】

 [2010年2月16日9時38分 紙面から]


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