スピードスケート
Speed Skating条治スランプ脱出大会新V/Sスケート
<スピードスケート:全日本距離別選手権>◇初日◇23日◇長野・エムウエーブ
元世界記録保持者の加藤条治(24=日本電産サンキョー)が、五輪シーズン初戦で復活の兆しを見せた。男子500メートルで、ただ1人34秒台を連発。2本合計1分9秒87の大会新記録で2年ぶり5度目の優勝を果たした。昨季は後半戦から体幹バランスが崩れて大スランプに陥ったが、オフのトレーニングで修正。4年前、金メダル最有力候補ながら6位に終わったリベンジを、10年バンクーバー五輪で目指す。
加藤の滑りは荒々しかった。1本目の最終コーナー。バックストレートでの勢いに乗ってカーブに突っ込む。2度バランスを崩して、左手が氷についた。それでも踏ん張った。ゴール後の掲示板には、唯一の34秒台となる34秒93が刻まれた。2本目も34秒94で、2位の及川に0秒9差をつけて圧倒的な優勝。「完全とは言えない。でもようやくトップレベルで滑れる選手になった」と、口は滑らかだった。
昨季は自分を見失いかけた。W杯前半戦で2勝も、後半戦は大不振。「世界最速のコーナリング」と呼ばれた男が「もうカーブが自分の武器とは言えない」と自虐的になるほど、カーブで足が運べなくなった。
明確な原因が見当たらない中、国立科学スポーツセンターのチェックで体幹バランスが右に偏っていたことが発覚。「体を一回り大きくしよう。滑りは新しいシーズンになれば直る」。オフは1カ月、故郷山形で筋トレに励んだ。服のサイズが合わなくなり、高村トレーナーが「(ハンマー投げの)室伏のよう」と言うほど、肉体が変わった。
そして五輪シーズン初戦で、いきなり復調気配を漂わせた。所属先の今村監督は「粗っぽいレースだった。でもコーナリングは本来のキレの良さが戻ってきた」と認めた。現在の浅田真央並みの国民的期待を受けながら6位に終わったトリノ五輪から4年。「トリノはトリノで終わったこと。悔しさをバンクーバーにつなげるとかはない」。過去は引きずらず、新たな思いで、五輪に挑む。【広重竜太郎】
[2009年10月24日7時55分 紙面から]
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