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湯本Vに連盟会長が代表陣一喝/ジャンプ

優勝できなかった葛西(左)と伊東(右)を後ろからにらみつける伊藤会長
優勝できなかった葛西(左)と伊東(右)を後ろからにらみつける伊藤会長

<スキー・ジャンプ:TVh杯>◇23日◇札幌・大倉山ジャンプ競技場(HS134メートル、K点120メートル)

 全日本スキー連盟(SAJ)の伊藤義郎会長(83)が、バンクーバー五輪ジャンプ代表陣を一喝した。5人全員が出場し、葛西紀明(土屋ホーム)が2位、伊東大貴(雪印)が3位と表彰台を確保したが、五輪代表から漏れた湯本史寿(25=東京美装)に優勝をさらわれた。五輪本番に向けて勢いをつけることができなかったことに、伊藤会長は激高。2人を呼び出し、残り国内3戦での優勝指令を出し奮起を促した。

 突然の公開説教に周囲は凍り付いた。表彰式終了後、ファンのサインに応じる葛西、伊東を鋭い眼光で見つめていた伊藤会長が、「ひと言いいたい」と静かに忍び寄り、にらみをきかした。まず伊東をつかまえると「もっと飛んでくれ。(五輪前の)あと3戦どれかで優勝しろ」と直立不動の若手に指令。さらに、離れてサインをしていたベテランを「おい、葛西。おい、おい、葛西」と呼び出し「勝つつもりでいけ」とファン、報道陣のいる前で直接、注文をつけた。

 この日、1回目に伊東が首位、葛西が2位につけた。ここまではよかったが、2回目に風が不安定になり五輪代表が次々と失速。代表から漏れた湯本が3位から逆転で優勝し、空気が一変。伊藤会長は、五輪代表の敗退で堪忍袋の緒が切れた。「何をやっているんだという気持ち。当然、5人のだれかが勝つと思っていた。代表としての自覚を持って飛んでほしい」と苦言を呈した。

 スキー競技全体への檄(げき)でもある。金メダルが期待されるモーグルの上村愛子は、今季のW杯未勝利で本番を迎える。複合もW杯個人総合で小林範仁の23位が最高。なかなか調子が上がらないスキー代表陣に対して、会長として黙ってはいられなかった。「まだ、五輪まで日数はある。成績うんぬんではないが、気持ちを引き締めてやってほしい」と話した。

 もちろん、この大会ひとつで五輪を占うことはできない。葛西が「条件が合わなかった」と言うように、大倉山は風がめまぐるしく変わり運、不運に大きく左右される。しかも、五輪代表は8日に欧州から帰国後、連戦続きの上、壮行会なども重なり、疲労はピークにある。SAJの菅野範弘コーチは「五輪に合わせてやっている。1つの大会で一喜一憂していられない」と、冷静に受け止めていた。【松末守司】

 [2010年1月24日8時47分 紙面から]


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