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国母メダル逃げた 着地乱れ8位/スノボ

ダブルコークに失敗し、悔しそうに天を仰ぐ国母(撮影・上田博志)
ダブルコークに失敗し、悔しそうに天を仰ぐ国母(撮影・上田博志)

<バンクーバー五輪・スノーボード:男子ハーフパイプ>◇17日(日本時間18日)◇サイプレスマウンテン

 服装問題などの騒動を起こしたスノーボード男子ハーフパイプ(HP)の国母和宏(21=東海大)が、8位入賞を果たした。予選2組を2位で通過したが、決勝は最後の大技ダブルコークで着地に失敗。メダルを逃したものの、2014年ソチ五輪出場の可能性を示した。青野令(19=松山大)は9位。工藤洸平(20=シーズ)は準決勝敗退。村上大輔(26=クルーズ)は予選落ちした。ショーン・ホワイト(23=米国)が別次元の強さで連覇を果たした。

 国母は、国母らしく大会を締めくくった。ヘルメットを取り、ゴーグルを観客席に放り投げた。取材エリアでは、ペットボトルで水を口に含み、ペッペッと吐き出しながらしゃべった。決勝の1回目で口を擦りむき、血をにじませながら言った。「滑りのスタイルも出せたし、そのほかのことについてもまったく悔いはないです」。

 予選は大技を温存し、40点台をそろえて突破した。決勝は回転軸を斜めにして3回転する大技「ダブルコーク」を、2回とも最後に繰り出した。1回目は転倒して30・5点、2回目は手をついて35・7点。最後を除けば、得意のマックツイストなど優雅に舞い、2回目の点が発表されると、観客席からブーイングが起きた。

 横山審判員は「金は無理としても、あれ(ダブルコーク)を立っていたら、必ず銀か銅メダルは取れましたね」と指摘した。「まあ、決まっていればっつったらどうしようもないんで…」と国母。メダルに手をかけながら、あとわずかで取りそこねた。

 両親と妻がスタンドで観戦していた。母由香里さん(44)は「本人から『申し訳ないことをした』とメールの返答があった。本当に皆様にはご迷惑をおかけしました」と頭を下げた。一方で、犬好きな素顔に触れ「人見知りするタイプなので、いつもあのような態度で歩いているわけではなく、しゃべっているわけではなので、その部分はご理解してほしい」と話した。

 萩原監督は、国母が11日ごろ、自室に1人で謝罪に来たことを明かした。「素直なところもある。シャイで、自分の表現をうまくできないところがある子だったんですが、長く話をすれば、自分の気持ちも話してくれる。イメージがちょっと変わったかな」。

 国母は精神的につらかった時のことを聞かれると「いや、そんなん気にしてたらこんなことやってないですね」と両手を広げた。4年後の挑戦には「この後に続く本当のスノーボーダーが五輪目指してくんなきゃ、オレがまた出るつもりでいますね」と言った。最後まで、悔しさや照れは、心の中にしまいこんだ。

 8月には、昨年11月に結婚した妻智恵さん(24)との挙式を予定している。試合後、選手村へのバスを待つ間、日本テレビのクルーから声をかけられ、リクエストに応えた。男子4人で情報番組「スッキリ!!」のポーズを取り、「ズームイン!」も照れずにやった。競技を終えて、1人の若者に戻っていた。【佐々木一郎】

 [2010年2月19日9時34分 紙面から]


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