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Figure Skating真央、バンクーバー占う最初の3回転半
来年2月のバンクーバー五輪の代表選考を兼ねるフィギュアスケートGPシリーズ初戦のフランス杯(パリ)が、16日に開幕する。日本女子のエース浅田真央(19=中京大)はフランス杯、ロシア杯(23日開幕、モスクワ)と開幕から2連戦で登場する。新プログラムを披露した今季初戦のジャパンオープン(3日)ではジャンプでミスを連発したが、約10日間できっちりと修正した。最大のライバル金妍児(キム・ヨナ=韓国)といきなり激突するフランス杯を前に、現在の心境を語った。
五輪前哨戦ともいえるGPシリーズ初戦を間近に控えても、浅田の表情は明るかった。フランス杯には昨季世界女王の金、08年世界選手権2位のコストナーらライバルが集結する。五輪に向けて準備した新プログラムでの初対決。勝てばジャッジに好印象を与える半面、負ければイメージを損ねる可能性もある。張り詰めた緊迫感の中での試合になるが、今の浅田には重圧を楽しむ余裕があった。
浅田 いよいよ本格的にシーズンに入るんだなと、今はワクワクしています。もう、1つ試合を終えているので、緊張とかそういう気持ちはないです。(金との直接対決は)一緒になるというのは、ちょっと大変かなとは思うんですけど、試合に出たら自分のことだけ考えればいい。気持ちを強く持って滑りたいですね。
ショートプログラムはフランス杯が今季初公開で、衣装も直前のロシア合宿中に完成したばかり。ぶっつけ本番に近いが、曲は昨季のフリーと同じ「仮面舞踏会」とあって自信もある。
浅田 去年の仮面舞踏会は力強さを表現したのですが、今年は初めて舞踏会に行く、楽しい感じで滑れたらいいなと思っています。
今季初戦のジャパンオープンでは、シニア大会のフリーでは自己3番目に低い102・94点だった。五輪メダルを争うロシェット(カナダ)とは、23・45点もの大差をつけられて3位に沈んだ。終始静かな曲調の「鐘」が流れる中、冒頭で2つのトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を失敗するなど精彩を欠いた。
浅田 久しぶりに試合に出たので、いろんな部分で自分じゃなかったなという感じがしました。(フリーの「鐘」は)最初に聴いた時は、すごく難しいなと思いました。でも振り付けをして練習していくうちに、すごくいいプログラムだと思うようになりました。1番のキーになるのは最初のトリプルアクセル。それが決まれば自分も波に乗ってくると思うので、しっかりと決めたいと思います。
06年トリノ五輪のシーズンにGPファイナルで初優勝するなど、実力がありながら年齢制限で五輪には出場できなかった。4年間の思いがあるからこそ、バンクーバー五輪は楽しみで仕方がない。
浅田 やっぱりスケートというスポーツをやっている中で、1番大きな大会。1つの大きな目標として頑張ってきました。会場にいる自分を想像しますし、出たいです。本当に、もう近づいてきている。でも五輪はまだまだ何回もあって、バンクーバー1つではないので気持ちは楽です。
昨季、女子では世界で初めてフリーで2度の3回転半に成功した。それでも素顔は19歳の女の子。「時々『神様っ』とか思っちゃいます」と、緊張ではち切れそうになった時には、何かにすがりたい気持ちにもなるという。しかし「最後は自分」と言い聞かせ、世界選手権やGPファイナルを制した勝負強さにつなげてきた。待ちに待っていた五輪が、4カ月後にやって来る。(構成=高田文太)
[2009年10月14日8時44分 紙面から]
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