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織田涙SP2位表現力低評価/フィギュア

ショートプログラムの得点に表情を曇らせる織田(中央)
ショートプログラムの得点に表情を曇らせる織田(中央)

<フィギュアスケート:フランス杯>◇初日◇16日◇パリ・ベルシー体育館

 【パリ=高田文太】男子SPで、織田信成(22=関大)が79・20点をマークし、2位と上々のスタートを切った。3つのジャンプはすべて成功。目立ったミスはなかったものの、今季の課題としていた表現力を示す5項目の得点が伸びなかったことが悔しく、涙を流した。81・00点で首位のベルネル(チェコ)とは1・80点差。17日のフリーでは、成功率の上がった4回転ジャンプを組み込み、逆転優勝を狙う。

 得点が発表された瞬間、織田から笑顔が消えた。ジャンプをすべて決め、出来栄え点でジャッジの加点を引き出した。1つのスピンが最低評価のレベル1となった以外、技術面で目立った取りこぼしはなかった。それでも得点は目標の80点台に届かず79・20点。表現力を示す5項目の得点で、高評価となる7点台は2項目だけで、残る3項目が6点台と伸び悩んだ。舞台裏に引き揚げると、悔しくて涙が止まらなくなった。

 「ショックだった。(5項目の得点でそれぞれ)最低7点台は出したかった。悔しい。今季は表現力を上げることが目標だったけど自己満足で終わっていた」と、終始目は真っ赤、はなをすすりながら話した。酒気帯び運転で会見した際も号泣したが、今回は意味が違う。06年NHK杯でマークした、国際大会SPでの自己最高の83・55点にも及ばず、順位はもはや関係なくなっていた。来年2月のバンクーバー五輪で、メダルをにらんでいるからこそ、物足りなかった。

 それでも途中、会場の照明の一部が消えたり点灯したり、赤みがかったりというトラブルに見舞われながらの2位発進は、精神面の成長を見せつけた格好だ。今大会に向け、開幕まで10日以上も前の7日にフランス入りした。時差対策も兼ね、パリ近郊のリンクで約1週間練習するなど入念な調整も奏功した。すべてが五輪をにらんだ予行演習。「フリーはいい点を出す。4回転も決めて、表現力でもいい点を出す」。今季初戦での涙が、五輪にかける織田の思いを物語っていた。

 [2009年10月17日9時9分 紙面から]


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