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真央「表現力」低評価でSP改造も

16日のフランス杯SPの演技後、さえない表情の浅田
16日のフランス杯SPの演技後、さえない表情の浅田

 【モスクワ20日=高田文太】フィギュアスケート女子の浅田真央(19=中京大)が、GPシリーズ・ロシア杯(23日開幕、モスクワ)後にもショートプログラム(SP)の曲を変え、それに伴って衣装や振り付けの変更も計画していることが分かった。同杯での結果をみて、現在使用している「仮面舞踏会」を、今季エキシビションの「カプリース」に変えるというもの。初公開した16日のフランス杯SPでは低かった、表現力の評価を高めるのが狙いだ。

 浅田陣営のしりに火が付いた。18日に閉幕したフランス杯では、ライバル金妍児(韓国)に過去最大の総合36・04点差をつけられ完敗。これを受けて関係者が「SPを『仮面舞踏会』から『カプリース』に変える可能性はある。ロシア杯の反応を見て、タラソワ・コーチと本人が相談する。最終的には本人が滑りやすい方を選ぶ」と明かした。

 フランス杯はSPで金と17・12点差がつき、逆転が絶望的となった。「仮面舞踏会」は昨季のフリーと同じ曲で、目新しさを求める現在のジャッジの風潮には合わない。しかも今季フリーの「鐘」と同様に重厚な曲調で、ワンパターンという印象を与えかねない。曲目変更によって、SPとフリーで合計8・56点もの差がついた表現力を示す5項目の得点を上げるのが狙いだ。

 さらに関係者は「もともと『カプリース』はSP用に作られたもの」と明かした。同じ2分50秒で、ともに規定に準じたジャンプやスピンが入っている。一方、曲調は明るく、振り付けも変わり、ラストに高速スピンを入れるなど、違いは明確だ。衣装も従来の薄い水色から黒とピンクに。浅田も「よく周りから『あれは真央カラー』と言われる」と話すなど、気に入っているという。

 すでに「カプリース」のSPでの使用をにらんで動いている。フランス杯のエキシビションでは、当初は3回転ループだったジャンプをダブルアクセル(2回転半ジャンプ)に変更。3つのジャンプのうち、2つが2回転半という偏った構成だった。今季はSPから3回転半を取り入れており、一方を3回転半にすれば、SPのプログラムになる。ロシア杯の結果をみて、浅田陣営がどんな決断を下すか注目だ。

 [2009年10月21日8時34分 紙面から]


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