フィギュア
Figure Skating真央号泣6位トリプルの悲劇/フィギュア
<フィギュアスケート:ロシア杯>◇初日◇23日◇モスクワ
【モスクワ=高田文太】浅田真央(19=中京大)がプログラムの欠陥を露呈した。23日の女子ショートプログラム(SP)でシニア大会自己最低の51・94点で、順位も同じく最低に並ぶ6位に沈んだ。冒頭の3回転半-2回転の連続ジャンプに失敗。3回転半が回転不足と判定され、後半に決めた2回転半まで「同じジャンプを2度跳んだ」として規定により無効になった。来年2月のバンクーバー五輪を4カ月後に控え、リスクの高い「3回転半頼み」のプログラムの弊害に直面した。
得点も順位も自己最悪のSPから一夜明け、浅田は険しい表情で練習した。35分間の練習時間の大部分をジャンプに割いた。3回転半は4度跳び、最後は2回転トーループとの連続ジャンプを決めた。3度は着氷したが、回転不足に見えるものや、手をつくなどのミスもあり、完ぺきに修正できてはいなかった。
23日のSPでは、冒頭の3回転半-2回転トーループで踏み切りに失敗。両足で着氷し、単発の1回転半止まり。基礎点9・5点というSP最大の得点源で0・3点しか稼げなかった。3回転半は今季は6度跳んで5度失敗。最後は演技時間オーバーで1点減点される失敗まで犯した。会場裏で号泣して1時間後、報道陣の前に現れた浅田は「ジャンプが決まらないと始まらない」と声を震わせた。
高リスクの3回転半頼みのSPの演技構成の欠陥を露呈した。国際スケート連盟の規定には「要素の繰り返しは、失敗した要素の繰り返しも含めて採点されず」と明記されている。SPは2回転半を跳ぶ必要があるが、2度跳ぶと違反になる。浅田は冒頭の3回転半が1回転半になったが、2回転半の回転不足と見なされ、後半の2回転半は無効で0点となった。冒頭の3回転半の失敗が、その後の2回転半にまで影響した。
SPで1度、フリーで2度跳ぶ3回転半は浅田の生命線。4月の世界国別対抗戦ではSP自己ベストの75・84点を記録した。決まれば高得点を得られる半面、失敗すれば今大会のSPのように51・94点にまで落ち込むリスクもある。
体力を要する3回転半は余力のある序盤に構成されるため「決めなければ後がないと重圧がかかる。調子を落としたときにどんどん追い詰められる」と指摘する関係者もいる。それでも3回転半は金メダルへの最大の武器であることに変わりない。日本オリンピック委員会の小林れい子専任コーチは「乗り越えるしかない」。浅田は「もう1度気持ちも整理したい」と、心身ともに復活の糸口を探してもがいている。
[2009年10月25日8時43分 紙面から]
関連ニュース
※ニュースの日記を書く方法はこちらで紹介しています。
このニュースには全0件の日記があります。
- 高橋大輔がアイスショーで荒川と競演へ [5日08:48]
- 真央新体操に挑戦?表現力磨きたい [4日08:37]
- 真央が母校中京大で報告会、応援に感謝 [3日18:35]
- 真央、ライバル引退でもソチでヨナに勝つ [3日08:51]
- 高橋銅メダル実感も、4回転に悔い残る [3日08:19]
ソーシャルブックマークへ投稿
ソーシャルブックマークとは