フィギュア

女子フリーで表情豊かな演技を見せる安藤（撮影・上田博志）

＜フィギュアスケート：ロシア杯＞◇最終日◇２４日◇モスクワ

　ＳＰ３位でフリーに臨んだ安藤美姫（２１＝トヨタ自動車）が、逆転で０６年スケートアメリカ以来、３季ぶりとなるＧＰ２勝目を挙げた。序盤に予定していた２回転半－３回転トーループの後半ジャンプで転倒したが、その後はほぼ完ぺき。総合１７１・９３点で、２位ワグナー（米国）に７・９６点の大差をつけた。

　「うれしいというよりはホッとした。ただ結果は良かったけど滑りは納得していない」。実戦で初めて「クレオパトラ」を舞った。茶色をベースに随所に金色の装飾を施し、伝説の美女をイメージした衣装で登場。４回転や２連続３回転など高難度ジャンプは跳ばなかったが、表現力を示す５項目の得点で、４項目が高得点となる７点台をマークした。「今回はジャンプよりも表現力を重視していたのでよかった。ジャンプはこれから仕上げる」と納得顔だ。

　今大会は２万人以上収容できる大会場で行われただけに「遠くの人まで表情が分かるように」と、約２０分かけて顔立ちのハッキリとするメークを施すなど細部にまでこだわった。従来とは違い「ジャンプがすべてではない」と考えるようになり、確実に得点を稼いだ。日本人選手として初のロシア杯優勝。次戦はＧＰ第４戦のＮＨＫ杯（１１月、長野）に出場する。

　［2009年10月26日9時23分　紙面から］

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