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GPファイナル鈴木滑り込み/フィギュア

<フィギュアスケート:スケートカナダ>◇2日目◇21日◇カナダ・キッチナー

 鈴木明子(24=邦和スポーツランド)がGPファイナル(12月3日開幕、東京)初出場を決めた。ショートプログラム(SP)8位と出遅れて迎えたフリーは、94・62点と伸びず5位に終わり、総合でも147・72点で5位。それでもGP中国杯優勝の貯金などで、日本女子では安藤美姫に続いて進出した。浅田真央は出場を逃した。女子はロシェット(カナダ)が優勝した。

 1度はあきらめた。2度のルッツがともに踏み切り違反と判定され減点されるなど、鈴木はジャンプでミスを連発。逆転優勝した中国杯より、総合で28・94点も低い147・72点に終わった。「ファイナルのことは考えなくても周りが言ってくる。それが硬さにつながった」。自力でGPファイナルの切符をつかめるのは4位以内で、SP上位がまだ7人も残っていた。

 運が味方した。ライバルが次々と自滅していき、最終滑走のロシェットを前に5位以内を確定させる。ただ、ロシェット総合2位、シズニー(米国)逆転優勝ならば、2人は2戦合計24ポイントとなり、同22ポイントの鈴木は及ばない。シズニー2位ならフラット(米国)を含めて3人が同ポイントで並び、中国杯優勝の鈴木が出場権を得る。2つに1つ。最後の最後で、6番目の枠に滑り込んだ。

 「残ってしまいました。うれしい半面、恥ずかしい気持ちもあって複雑」。正直な感想だった。ファイナル進出がかかり、味わったことのない重圧で心も体も余裕を失い、これまで安定していたジャンプに乱れが生じた。体重を15キロも減らした摂食障害を乗り越え、精神的にたくましくなったが、五輪につながる大舞台へのプレッシャーは、また別物だった。

 救ったのは「陰の努力」だった。この日演じた「ウエストサイド物語」のヒロイン、マリアの気持ちになって演じきった。今夏、同名ミュージカルの世界ツアーが行われ、名古屋公演の際にはリハーサルに招かれた。マリア役の女優と話し「気持ちが分かって、自然と表情が出せるようになった」という。それが、後半持ちこたえたこの日の演技につながった。

 「与えてもらったチャンスを無駄にしないようにしたい。また緊張すると思うが、気持ちを強く持ちたい」。運を引き寄せるのも実力のうちだ。遅咲きの24歳が、初の五輪切符に大きく近づいた。

 [2009年11月23日8時13分 紙面から]


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