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真央に金ロード、五輪決める前に決めた

練習を終え会場を後にする浅田真央(撮影・たえ見朱実)
練習を終え会場を後にする浅田真央(撮影・たえ見朱実)

 女子フィギュアスケートの浅田真央(19=中京大)が、五輪本番の約1カ月前に大会に出場する異例の計画があると明かした。バンクーバー五輪代表の最終選考会を兼ねたフィギュアスケートの全日本選手権は25日、大阪なみはやドームで開幕。24日は会場で非公開の練習が行われた。女子シングルの五輪切符は残り2枚となったが、大会4連覇を狙う浅田に緊張の様子はなし。初の五輪代表入りを決め、来月27日開幕の4大陸選手権(韓国・全州)に出場したいとの意向を示した。25日は男子のショートプログラムなどが行われる。

 練習拠点の愛知から大阪入りした浅田は、会場入りする前、時折、笑顔を振りまきながら五輪前の異例の計画を口にした。「そのつもりです。いつも出ている大会なので」。五輪本番まで1カ月に満たない時期に韓国で行われる、4大陸選手権に出場したいと、あっけらかんと口にした。

 全日本選手権では4連覇とともに初の五輪出場権がかかるが、あくまでも通過点という意識なのだろう。五輪約1カ月前の4大陸選手権出場には、故障などの危険性がある。しかも全日本選手権、4大陸選手権、五輪と、2カ月足らずで3大会という日程は、疲労の蓄積という意味からもリスクはある。それでも「大丈夫です」と言い切った。

 4大陸選手権には、すでに五輪代表に決まった安藤も、男子の織田も、ライバルの金妍児(韓国)も出場しない意向。4年前のトリノ五輪前は、当時の代表4人全員が、調整を優先して出場を回避した。金がGPファイナルから約2カ月空けて五輪に臨むように、年明けからは五輪に集中するのがよくあるパターン。そんな“常識”を覆してでも、浅田は自信を手に入れたいようだ。「4大陸選手権で勢いをつける?」と聞かれ「そうですね」と笑みを浮かべた。日本スケート連盟関係者は「実戦感覚が鈍らないというメリットもある」と説明した。

 10月のGPシリーズ開幕戦のフランス杯は2位、翌週のロシア杯は5位に終わり、GPファイナルの出場を逃した。この2カ月間は指導を受けるタラソワ・コーチのアシスタントコーチと立て直しを図った。非公開練習ではフリー曲の「鐘」を流して滑り「調子はいい」と調子は上向き。今季は失敗が目立つ3回転半ジャンプを少なくとも3回は決めたようで「良かったです」と堂々と話した。

 残り2枚の五輪切符をめぐる緊張感が高まる中、ロシアの国内選手権があるため、タラソワ氏は不在。ほとんどの女子選手が無言を貫く中、浅田は「まだ緊張はしていない」と余裕の笑顔。4連覇のかかる第一人者らしい貫禄(かんろく)が漂っていた。【高田文太】

 [2009年12月25日8時28分 紙面から]


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