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真央3回転半3度跳ぶ!回転速度もアップ

<メダル候補たちの武器:浅田真央>

 真央の初夢は、3回転半を3度跳んでの五輪金メダル? フィギュアスケート女子の浅田真央(19=中京大)が、2月12日開幕のバンクーバー五輪に向けて、世界初の高難度の演技を用意する。代名詞のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)をショートプログラム(SP)で1度、フリーで2度跳ぶプログラムで、1大会で3回転半を3度決めると女子では史上初。安全策ではなく、「百発百中」と思い描く3回転半で金メダルを奪いにいく。

 初の五輪に向けて浅田は「フリーで(3回転半を)2回跳ぶという高い目標を持っている」と明言した。五輪出場権のかかった昨年末の全日本選手権のフリーでは、安全策で3回転半は1度だけ。だが、金妍児(韓国)とのハイレベルな争いが予想される本番のフリーでは、3回転半を2度跳ぶプランを描いている。

 そもそも、バンクーバー五輪に出場する女子選手で3回転半を跳べるのは浅田だけだ。昨季初戦のフランス杯のフリーで1度跳び、その後、フリーで2度跳ぶような構成にして08年12月のGPファイナルで、女子フリーで史上初めて3回転半を2度決めた。昨年4月の世界国別対抗戦からはSPにも組み込んで、1大会で3回転半を3度跳ぼうとしている。

 今季序盤は3回転半の成功率は低く、1大会で3度の3回転半は1度も決まっていない。だが、データ上では成功への下地が十分にできていることが分かる。

 スポーツ・バイオメカニクスが専門で、フィギュアスケートのジャンプを研究している名大の池上康男教授の測定によると、浅田の3回転半の滞空時間は0秒45。安藤美姫の0秒58(4回転)や中野友加里の0秒55(3回転半)と比べると、滞空時間の短さは際立っている。回転数の多いジャンプには (1) 高く跳んで滞空時間を稼ぐ走り高跳びタイプと、 (2) 助走速度を上げて速く回転する走り幅跳びタイプ、に分かれるという。単純計算で、浅田が1回転に要する時間は0秒17と (2) のタイプとして、ほぼ完成形に達している。

 池上教授は「フィギュアや体操、飛び込みなど体を回転させる競技は、体が小さい方が断然優位。身長が10%増すと回りにくさは20%増し」と話す。163センチの浅田は中学1年時と比較して身長が約20センチ伸びている。だが、滞空時間は中学1年時の0秒55に比べて0秒1短い。コマのように鋭く回転するジャンプへと進化したことが分かる。08年3月から専属トレーナーを務める牧野講平氏は「詳細は教えられない」としつつ「(ジャンプの)回転速度を高めるトレーニングをしてきた」と明かす。

 今季序盤は3回転半が決まらなかったが、10月のロシア杯から、約2カ月間で助走の軌道や跳ぶ位置を変えて立ち直った。

<軌道>リンクのカベと垂直に、カベに向かって真っすぐに入る軌道で跳ぶようになった。実はもともと、浅田はこの跳び方。今季から斜めに入る軌道に変えたが、元に戻した。

<位置>当初、SPは審判席に向かって跳んでいたが、目の前で審判に見られるという重圧緩和のため、全日本選手権では正反対の位置でジャンプ。回転不足ながら、SPは今季3度目で初めてピタリと着氷した。

 スランプを経験したからこそ新たな跳び方を発見した。大舞台で「百発百中」と思い描く3回転半が計3度成功すれば、間違いなく金メダルに手が届く。【高田文太】

 ◆バンクーバー五輪のフィギュアスケート日程(現地時間)

 ▽女子シングル SP=2月23日、フリー=同25日

 ▽男子シングル SP=同16日、フリー=同18日

 ▽ペア SP=同14日、フリー=同15日

 ▽アイスダンス 規定=同19日、オリジナルダンス=同21日、フリー=同22日

 [2010年1月2日9時27分 紙面から]


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