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美姫のコーチ・モロゾフ氏が連盟強烈批判

自著を手にするフィギュアスケートのモロゾフ・コーチ
自著を手にするフィギュアスケートのモロゾフ・コーチ

 フィギュアスケート女子のバンクーバー五輪代表の安藤美姫(22=トヨタ自動車)らのコーチを務めるニコライ・モロゾフ氏(34=ロシア)が、日本スケート連盟を痛烈に批判した。15日、2月2日発売の著書「キス・アンド・クライ」(講談社)の出版会見を都内で開いた。安藤ら教え子とのエピソードなどまとめた同書に、同連盟への不満などを書き込んだ。日本の五輪代表男女8人のうち4人を指導する同氏の五輪開幕直前の“激白”には、波紋が広がりそうだ。

 モロゾフ氏の著書には、日本スケート連盟への不満がちりばめられていた。

 同書によると、06年トリノ五輪後、安藤とコンビを組んだころから、同連盟を快く思っていなかったようだ。「美姫はまた、周囲を取り巻く人たちに対しても信頼をなくしていた。とくに日本スケート連盟に対してだ」と書き、「彼らの中には『彼女はいつも波があって、落ち込んでしまう』とか『練習が足りない』とか、欠点を指摘する人までいる。しかし、それは事実ではない」と反論している。

 感情豊かな安藤を「たしかに美姫は変わった性格で不安定なところがある。だが、それがどうしたというのだ」とフォロー。その上で「彼らの仕事は美姫を助け、埋もれている才能を発揮させることだ。もしそうでないなら良いスケート連盟とは言えない」と、切り捨てている。

 さらに同氏は、06年トリノ五輪前の高橋大輔に対する連盟の態度も批判している。五輪直前のイタリアでの高地合宿に、当時指導していた高橋を参加させることを反対したという。「今の大輔はかなり強くなったが、昔は日本からアメリカまで飛行機に乗ってくると、5日間はまともに何もできないぐらい気圧に弱かった」と明かし「私は大輔が高地に行くことに反対したが、スケート連盟がそれを受け入れなかった」としている。

 バンクーバー五輪で安藤、男子の織田信成とアイスダンスのリード姉弟、4人の日本代表のコーチを務めるモロゾフ氏の“激白”だけに波紋が広がりそうだ。出版会見のためだけに前夜来日した同氏は2泊3日の強行軍で、安藤らが五輪に向けて最終調整している米ニュージャージーへ戻る予定だ。【吉松忠弘】

 [2010年1月16日9時47分 紙面から]


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