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Figure Skating真央逆転V「金80%」ぐらい/フィギュア
<フィギュアスケート:4大陸選手権>◇29日◇韓国・全州
【全州(韓国)=高田文太】浅田真央(19=中京大)が、最高の演技でバンクーバー五輪前の最後の大会を終えた。ショートプログラム(SP)3位で迎えた女子フリーで、国際大会では08年12月のGPファイナル以来2度目となる、2度のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に成功。同大会以来約1年1カ月ぶりに国際大会を制した。フリーの126・74点、総合183・96点とも今季自己最高。ライバル金妍児(韓国)が得意とするSPで後れを取っても、フリーで逆転できる見通しもついた。
金メダルを争う最大のライバルの母国で、浅田が復活した。荘厳な「鐘」の調べに、観衆が静まり返る独特の雰囲気の中、冒頭で3回転半を完ぺきに決めた。「自信があった」と回転不足ではないと確信し、波に乗った。続けて跳んだ連続ジャンプは、後半の2回転トーループが回転不足と判定されたが、前半の3回転半はピタリと決めた。忘れかけていた演技中の笑顔が戻り、終盤は畳みかけた。
団体戦で争う昨年4月の世界国別対抗戦を除くと、一昨年12月のGPファイナル以来、約1年1カ月ぶりに立つ表彰台の中央で、珍しく君が代を口ずさんだ。優勝インタビューではマイクを握りしめ「カムサハムニダ」と、3戦3勝と相性の良い韓国の言葉で感謝の思いを伝えた。「(トリプル)アクセルを2つ決められたのは五輪につながる。金メダルにどのぐらい近づいた? 80%ぐらいかな」と、はじける笑顔で話した。
フリーで2度の3回転半成功も、約1年1カ月ぶりだった。五輪まで1カ月を切り、他の金メダル候補は調整のため軒並み参加しなかった今大会。強行日程を承知の上で手に入れたかった、自信を取り戻した。何よりも優勝した08年世界選手権など、数々の国際大会で見せたフリーに強い「逆転の真央」が戻ってきた。
自ら追い込んだ。2度の3回転半は、単発が1度とトーループとの連続ジャンプが1度。従来は連続ジャンプを先に跳んでいた。規定で同じジャンプを跳べないため、仮に後半のトーループを跳べなくても、再度チャンスがあるからだ。だが今大会は初めて、意図的に単発から先に跳んだ。「最近は1発目は成功する。でも2発目にプレッシャーがかかる方を持ってきた」と、緊張の持続を2つとも成功させた理由に挙げた。
大会前は韓国のインターネット掲示板に「奇声を上げて集中力を途切れさせよう」などと、妨害を予告する書き込みもあった。宿泊ホテルの従業員による“盗撮”騒動もあった。そんな雑音も演技で黙らせた。
「難しいはずのフリーでこれだけできるのだから、SPは問題ない」。苦手意識も薄れてきた。最大のライバル金妍児(韓国)と演技要素点を比較すると、SPでは0・5点及ばないが、フリーでは2・35点も浅田の方が高く、普通に演じれば逆転できる。94年リレハンメル五輪から女子は、4大会連続で逆転金メダル劇が生まれている。心強いデータを背に、金メダルへと突き進む。
[2010年1月30日9時40分 紙面から]
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