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日本の匠の技が真央vsヨナを研ぎすます

 バンクーバー五輪フィギュアスケート女子ショートプログラム(SP)で1位、2位につけた韓国代表金妍児(19)、日本代表浅田真央(19)のスケート靴は、横浜市のスケートインストラクター坂田清治さん(62)の「匠(たくみ)の技」に支えられている。坂田さんのスケート靴調整技術は世界的な評価を受けており、各国からブレード(刃)研磨などの依頼が相次ぐ。日本時間26日のフリーでは、1人の職人として、両選手のベストの演技を期待している。

 首位の金、2位の浅田、4位の安藤美姫(22)、11位の鈴木明子(24)ら、多くの選手の靴にかかわってきた。だれかの靴に急きょ修正が必要になった場合のこともあり、バンクーバーで観戦した。坂田さんは「真央ちゃんは今シーズン最高の出来。金妍児も大きなミスもなくまとめた。2人ともあれ以上できないという演技だった」とたたえた。

 坂田さんの研いだブレードは「怖いほど滑る」といわれ、使いこなした選手は、世界トップの座に立ってきた。坂田さんは「私の技術がどうこうではない。運良く、いい選手に使ってもらえただけ」と言う。しかし、米国男子フィギュア代表のライサチェクも、昨年12月のGPファイナル前にブレード修正を頼んで優勝。同じ靴でバンクーバー五輪の金メダルを取った。トリノ五輪金メダリスト荒川静香の靴も手がけた。

 坂田さんは新潟県新津市(現新潟市)生まれ。中学、高校時代には、親類の時計・宝飾店で時計の修理作業を手伝った。「昔の時計の部品の研磨は、1000分の1ミリの正確さが求められた」といい、100分の1ミリ違うと感覚が変わるというブレード研磨技術の基礎になった。研磨剤には、通常のダイヤモンド粉末でなく、ルビー粉末を使う。「ダイヤモンドは硬度10、ルビーは硬度9。ダイヤは硬すぎて削れすぎる」。柔らかいルビーを使うことで、より繊細に、より正確に研ぎ出す技を生み出した。

 浅田とは02年ごろからの付き合いで、研ぎより、靴本体のフィット感の修正作業が中心。08年からは、坂田さんが集めた修正データを反映させた専用モデルが浅田に届けられている。ブレードも、昨年10月に3セット研いだばかりだ。

 金は、06年に訪ねてきた。最初は「忙しい」と断ったが、「勝つためには、誰のどんな助言でも聞く」と、必死に頼み込まれ、引き受けた。「頼まれなければ研がないが、引き受けたらからには完全に仕上げた」。金は1カ月後のGPファイナルで優勝。付き合いが始まった。今の靴も昨年12月に坂田さんが研いだものだ。

 五輪は国と国の戦いという面もあり、複雑な思いもある。それでも「1人の職人として、それぞれの選手がベストの演技をしてくれるのを願うだけです」と、見守っている。【清水優】

 [2010年2月25日9時2分 紙面から]


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