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愛子、金メダル見えた/W杯スキー

銀メダルを手に笑顔を見せる上村(共同)
銀メダルを手に笑顔を見せる上村(共同)

<W杯スキー:モーグル>◇第4戦◇9日◇カナダ・カルガリー

 金メダルが見えた! 女子の上村愛子(30=北野建設)が24・03点で2位に入り、昨年12月の開幕戦以来、今季2度目の表彰台に立った。五輪の審判員が採点する中、得意のターンがわずかに乱れて優勝は逃したが、決勝は最速タイムでゴールし、エア点は全体2位。ターン(4位)が復調すれば、優勝に手が届く。約1カ月後に迫った来月13日(日本時間14日)のバンクーバー五輪本番レースでの金メダル獲得へ、手ごたえをつかんだ。

 速い、速い。全長211メートル、最大斜度27・7度のコースを、上村が滑り降りる。ゴールの瞬間、両腕を上げた。得点や順位の発表を待つまでもなく、手ごたえを感じた証しだった。優勝こそ逃したが、開幕戦以来となる2位。「こう滑るんだというのが少し分かったのが、今日はものすごく良かった」。吹っ切れたような笑顔で話した。

 鋭い滑りだった。26・22秒のタイムは、全43人中最速をマークした。第1エアのヘリコプター(横1回転)、第2エアのバックフリップ(後方1回転)も大きくきれいにまとめて、エア点は全体2位。ただし、中盤のコブにはじかれて左脚が開くミスを犯し、ターン点を減点された。優勝したハイルとの合計点差は0・91。タイムもエアも上回りながら、ターンのミスが響いてしまった。

 前日は14位に沈んだ。第1エア後のコブでバランスを崩し、コースアウトしかけたほどだった。「今はつかみたいものを、つかみ切れていない状態」と漏らした。だが、わずか1日で修正してみせた。決勝前のコース練習。第1エア手前のコブで「手前でずらすんじゃなくて、コブを乗り越える」と気付いた。

 「ターンがちょっと良くなったことで、エアもすごく良くなる。もっともっと、強い滑りができるように頑張りたい」。もともと、板を縦にする攻撃的なターンこそ、上村の武器。トリノ五輪金メダルのハイルに、エアとタイムで上回れたのなら、ターンで勝つことは難しくない。

 今回のW杯2連戦は、五輪の審判員が採点した。それを意識し、上半身は白、下半身は赤の五輪用ウエアを初披露した。この日のスタート時刻は、五輪と30分しか違わない午後8時。ナイターに色が映えるのも、計算通りだった。何より、内容と結果をアピールできた。「『上村はこう滑る』というのを分かってもらえたと思う」とも話した。

 開幕からのW杯4試合は2位、24位、14位、2位。もともと尻上がりに調子を上げるタイプで、W杯通算9勝中7勝は2月以降。1度きっかけをつかめば、爆発が期待できる。繊細なメンタルの持ち主ゆえ、この日の結果は精神安定剤にもなる。「ちょっと触った感じ。指が掛かった感じがする」。4度目の五輪まで、あと32日。W杯は3戦を残す。カレンダーも、試合も、そして調子も、あと1歩まで迫ってきた。

 [2010年1月11日9時49分 紙面から]


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