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白馬高恩師がエール「愛子ソチも目指せ」

 高校3年生で一躍アイドルになった1998年(平成10)の長野五輪から12年。4度目の五輪に女子モーグル日本代表のエースとして挑み、自己最高位の4位に入った上村愛子(30=北野建設)を、長野・白馬高時代の恩師寺尾賢明(まさあき)氏(42)は「よくやった」とたたえた。書家として一線で活躍する寺尾氏は、上村に贈る言葉として「永続」と大きく書き、「体調が許すなら、5回目の五輪を目指してもらいたい。これからできることが勝負だ」とエールを送った。

 寺尾氏は長野県佐久市の自宅で上村の試合を見守った。メダルは逃した。それでもバンクーバーの荒れたコースを滑りきり、自己最高位の4位になった教え子の姿を静かにたたえた。「担任より優れた人間になってほしいというのが教員です。彼女は4回も五輪に出場し、さまざまなものを乗り越えてきた。担任よりはるかに一流の人間になった」。

 初任校だった白馬高で初めて担任したのが上村のクラスだった。上村が3年生で迎えた98年の長野五輪から12年。卒業式以来、1回も会っていない。小諸市の小諸高で教壇に立ち、12年前と同様、3年生の担任として受験シーズンを迎えている。「1人の生徒だけにかかわっているわけにはいかない」「便りがないのはよい知らせ。逆に便りがあるようでは世界の一流にはなれない」と淡泊な関係を強調した。それでも、やはり上村の決勝レースの時間だけはテレビの前にいた。

 寺尾氏は「アイドルのようだった1回目の長野は、けがをしないことだけを願った。2回目のソルトレークも、まだちやほやされながらの五輪だった」と振り返った。

 ただ「3回目のトリノから、愛子さんの発言や格好が違ってきた」とし「今回のバンクーバーはさらに進化し、本当の真剣さが伝わってきた」と話した。長野から7位、6位、5位、4位と1歩ずつ上ってきた上村の戦いを「大事にして、続けてきたからこその、重い4位だ」とほめた。

 寺尾氏は教職のかたわら、「寺尾碩雲」の雅号で書道国内最高峰の展覧会「日展」に4回入選するなど、第一線の書家としても活躍中。その筆で、上村に贈るために書いたのは「永続」の2文字だった。上村は30歳で、4年後の14年ソチ五輪に選手として挑戦するかどうかは分からない。それでも確実にステップを上がってきた上村へ「続けることが一番大事なこと」との思いを込めた。

 寺尾氏が日展に初入選したのは、書道を初めて23年目、33歳の01年だった。「30歳まではガムシャラにできる。30歳を過ぎて体力に限りが見えれば、知恵や心の成長を生み出す。自分がその年を越えて分かることがある」と新たな進化の可能性に言及。「自分に厳しい愛子さんなら、できると思う」と話した。【清水優】

 [2010年2月15日9時17分 紙面から]


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