スピードスケート
Speed Skating15歳中3高木美帆最年少五輪/Sスケート
<スピードスケート:バンクーバー冬季五輪代表選考会>◇28日◇長野市エムウエーブ
女子3000メートルで中学3年生の高木美帆(北海道・札内中)が4分13秒90で3位に入り、バンクーバー五輪出場が有力になった。14年ソチ五輪の期待の星だったが、大会前に急成長し、ライバルたちをごぼう抜きにした。30日の選考委員会で選出されれば、日本スピードスケート史上最年少の五輪選手が誕生する。
とんでもない中学3年生が現れた。W杯に参戦したこともない、世の中的には全く無名の15歳だ。並み居る先輩を押しのけて、高木が4分13秒90で表彰台をゲット。いきなり五輪代表有力候補に名乗りを上げた。「タイムを見て、あっ、びっくりみたいな!」。あっけらかんと答えた。
163センチの体をくの字に曲げ、右手を振り子のようにリズミカルに刻んだ。「落ち着いて自分の滑りだけに集中した」。1周400メートルのラップを、平均33秒台で刻んだ。最後の1周が35秒台に落ちたが、4度の冬季五輪出場を誇る橋本聖子・日本スケート連盟会長も「すごいのが出てきた。あのラップで後半落ちないのはすごい」と舌を巻いた。
15歳で五輪出場となれば、日本スピードスケート史上最年少。五輪には、小さい時から「絶対にいつか出てやる」と思っていた。指導する桜井知克士コーチは「小学生の低学年からベストタイムを出す時期がとても早かった」と話す。今回同じ3000メートルで2位に入り、五輪代表を確実にした石沢が小学生時代に出したタイムと比較すると、同じ年齢で2秒も速かったという。この日のタイムは、09年3月に高速リンクのカルガリーで出した自己ベストを0秒76上回った。
運動神経も抜群だ。札内北小2で始めたサッカーでは、08年12月、有望選手としてJビレッジに招集された未来のなでしこ候補だ。ポジションはFWで、今年の十勝地区大会の得点王。通う札内中を初めて全道大会に導いた。趣味はヒップホップ・ダンス。週1回、レッスンに通う。
3000メートルの代表選考基準は、優勝者は内定。それ以外は今季のW杯前半戦と今大会の成績を基に選ばれる。女子の代表は最大で10人。高木はW杯に出ておらず、今大会も優勝していないが、橋本会長は「元選手として言えば、ソチの前に出ておくのがいい。(選ばない)理由はない」と言い切った。
国際スケート連盟の五輪出場年齢資格は、五輪前年の6月30日までに15歳になっていること。フィギュアの浅田は、87日足りずにトリノ五輪に出られなかった。高木は5月22日が誕生日でクリア。「本当にびっくりだけ」。最後まで驚きの連続の15歳だった。【吉松忠弘】
[2009年12月29日8時31分 紙面から]
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