スピードスケート
Speed Skating美帆23位「力出せた」/Sスケート
<バンクーバー五輪・スピードスケート:女子1500メートル>◇21日(日本時間22日)◇五輪オーバル
心地いい疲労感が体をつつんだ。持てる力すべてを出した。順位は23位と1000メートルの最下位35位から浮上した。それ以上に高木美帆(15=北海道・札内中)は満足していた。「1000メートルはこの空気にのまれて、力を出し切れずに悔いが残った。今日はレースに集中して自分の力が出せた」。1つの階段を上った。
五輪を経験する前は、15歳らしからぬ大人びた一面を見せてきた。昨夏に金メダリスト清水宏保氏による約30人でのレッスンの最後に「質問は?」と聞かれ、1人だけすぐに手を挙げ「ブレードを押すタイミングは人それぞれ、と言ってましたが、清水選手はどこで押していますか?」。その質問には好奇心と同時に気遣いもあった。桜井コーチは「高木は『誰も聞かなさそうなので質問した』と言っていた。とっさに質問したのに具体的だった」と舌を巻くほどだった。
だが五輪が始まると、予想以上の期待と熱狂的な雰囲気に「怖い…」と漏らした。最下位に終わった1000メートルの翌19日はラーメンを食べ、買い物をして、気分一新したかに見えた。だが前日20日、桜井コーチに「練習していてうまく滑ることができない」と弱音を吐いた。同コーチから「お前がポンと来てうまくいくわけがない。みんな4年間生活をかけてこの1本に挑んできているんだから」と諭され、「それもそうですね」と気を取り直したが、珍しく弱気な言動だった。
これまでとは違い、五輪の重圧を知った。それはソチ五輪への財産になる。メダル獲得が期待される団体追い抜きは、穂積、田畑、小平で臨むことが有力。高木はこの日の個人種目で一区切りとなりそうだ。「これからもっと頑張りたいという思いが強くなった」。4年後への誓いだった。
[2010年2月23日9時41分 紙面から]
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