クロスカントリー
Cross-Country Skiing石田が快挙!日本人史上最高5位/距離
<バンクーバー五輪・距離:女子30キロクラシカル>◇2月27日(日本時間同28日)◇ウィスラー五輪公園
石田正子(29=JR北海道)が五輪の距離で日本人史上最高の5位に入賞した。もっとも世界から遠いと言われていた長距離で、銅メダルまでわずか17秒8差の快挙。「獲物を狙うチーター」の動きを参考にして身に着けた効率の良い滑りで、終始冷静にレースを運んだ。夏見円(JR北海道)は31位だった。
ゴールの瞬間、石田は両手を突き上げた。女子30キロクラシカルで、距離の日本勢で五輪最高の5位入賞。雨の中10キロを3周する消耗戦で、冷静にスキー板の交換を判断し、一時は32位まで落ちたが圧巻の走りで追い上げた。3位とはわずか17秒8差。日本人でもメダルが狙えるということを証明した。「今日はやれることはやった。自分の中では満足です」。歴史を塗り替えた充実感に浸った。
昨季までは夏見の陰に隠れていたが、昨年3月のW杯で長距離種目として日本人初の3位になり、注目を集めた。急成長の転機は07年夏。海外勢との差が体幹の使い方にあると気づいた。“先生”はチーターだった。
テレビの動物番組で獲物を捕らえるチーターの姿を見てひらめいた。「体幹で走っている。人間は手足をうまく使い切れていない」。以来、チーターをイメージして手と足を同じものとして動かせるよう、体幹主導の動きを導入。軸のぶれない効率的な滑りを身につけた。
こんな自由な発想は、独特の感性から生まれている。愛読書はファッション誌とビジネス書。北海道美幌町の実家は農家で、農業でもうける方法を論じた本も読んだ。「あの本はここがよくない」などと考える。最近では「ツイッター」に興味を持ち、手探り状態で始めた。とにかく好奇心旺盛だ。石田の母校、北海道・旭川大高スキー部の石川監督は「洞察力が優れた子。おもしろい発想をする」と評価する。
石田はレース後、メダルに届かず「すみません」と謝った。17秒の差は何なのか。それをつきとめる歩みの先には、きっと表彰台がある。
[2010年3月1日8時39分 紙面から]
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