点火!…あれっ?聖火台の柱上がらないぞ
12日(日本時間13日)に行われたバンクーバー冬季五輪開会式で、終盤の見せ場にハプニングが起こった。注目の聖火台への点火で、起き上がるはずの柱が上がらなかった。
屋内の開会式会場、BCプレースでの点火者に選ばれたのはアイスホッケーの国民的英雄、ウェイン・グレツキー氏らカナダを代表するアスリート4人。氷をイメージした舞台から4本の柱がそそり立ち、それぞれが点火するのが本来の姿だった。
ところが正しく作動したのは2本だけで、3本目は遅れて上がったが、4本目は結局上がらなかった。気まずい雰囲気が流れ、音楽も一度は途切れた。異常に気付いて場内にざわめきが起きる中、最後は1本足りない状態で乗り切った。点火すべき柱がなかったスピードスケート女子金メダリストのカトリオナ・ルメイ・ドーンさんが慌てず、堂々としていたのが救いだった。
約30億人といわれるテレビ視聴者も注視するなかでのアクシデントに、大会組織委員会のジョン・ファーロング最高経営責任者は「形になってほっとした」と話したが、表情に疲労がにじんだ。
開会式制作責任者のデービッド・アトキンズ氏は「機器の異常で残念だが、3本で点火することに途中で切り替えた」と説明した。2000年シドニー五輪でも聖火台が思うように作動せず、間延びしたことがあった。そのときは最終的にはことなきを得たが、今回は失敗だ。
聖火の点火や最終走者は注目の的となり、どの大会も趣向をこらす。バンクーバーの組織委員会もアトキンズ氏に「歴史的なものを」と依頼していたという。複雑化する舞台装置や演出方法が招いた結果ともいえそうだ。
[2010年2月13日22時43分]
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