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リュージュ代表候補が鳩山首相に悲痛訴え

アジア杯で優勝した安田(中央)2位原田(左)3位山浦は表彰台で笑顔
アジア杯で優勝した安田(中央)2位原田(左)3位山浦は表彰台で笑顔

 鳩山首相、マイナー競技を切り捨てないで! 来年のバンクーバー五輪出場を目指すリュージュの日本代表選手らが支援継続を訴えた。19日、長野市スパイラルでアジア杯が行われ、五輪代表候補選手らが出場。女子1人乗りで2位に終わり6連覇を逃した原田窓香(24=信州大)は、11月の行政刷新会議の事業仕分けで、リュージュが名指しで補助金の必要性を問われたことに言及。「1人で続けるのは苦しい競技。だからこそ支援を」と訴えた。予算縮減の流れを変えるためにも、五輪での好成績を目指す。

 リュージュに夢をかける選手の心は傷ついていた。試合後、2大会連続五輪出場を目指す原田が、胸中を明かした。「1人で続けるのは苦しい競技。だからこそ支援してほしい。マイナー競技だから補助はいらないと思われるのは残念」。11月の事業仕分けで、仕分け人から「ボブスレー、リュージュ」と名指しされ「マイナースポーツに補助金をつぎ込んでもメダルに届かないのでは」と糾弾された。その一件は、海外遠征中だった代表選手たちの耳にも届いていた。

 そもそも支援は薄い。日本オリンピック委員会の競技団体ランクは5段階中4番目の「C」の格付けで、強化費は年間約600万円しか支給されていない。7000万円超といわれる「特A」の水泳などとは雲泥の差。これにスポンサー費約500万円などを合わせた約1500万円が日本代表の年間予算。海外遠征費などを含めると選手1人につき1シーズン約300万円が必要なため、強化費だけでは足りず、選手自身が約100万円を自腹で出している。

 原田はオフにはファミレスのウエートレスに転じる。この日、女子1人乗りで3度目の優勝を飾った安田は「マイナースポーツほどお金に困るんです」。大学卒業後に造園業での草刈りや、人気ラーメン店、家電量販店などで働いてきた。欧州遠征では50ユーロ(約6500円)の安宿に泊まり、自炊でのパスタ料理が続く。オリジナルTシャツや写真集を製作し、強化費の足しにしている。

 ドイツなど国家レベルで支援を受ける強豪国との経済格差は大きい。原田は「車で言えば、ベンツに(日本は)軽トラで勝負している」と現状を表現する。これ以上、予算が削減されれば、世界の背中が完全に見えなくなる。高松一彦ヘッドコーチは「成績を出すことが1番のインパクトになる」と、2カ月後に迫った五輪での好成績に希望の光を求めた。【広重竜太郎】

 [2009年12月20日8時39分 紙面から]


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