ボブスレー
Bobsleigh競技メモ
ボブスレーとは
前方にハンドル、後方にブレーキを備えたシャーシー(車台)にFRP製の流線形をしたカバーをつけたソリに、2人または4人が乗りこみ、スケルトンやリュージュと同じ氷の壁で覆われた全長1300~1500メートルのコースで走破タイムを競う。
ルール
- 2人乗りはハンドルを操るパイロットとブレーキを操作するブレーカーで、4人乗りはこの2人にさらに2人のプッシャー(そりを押す人)を加えたメンバーで競技をする。
- 各チームは立っている状態で、スタートラインから50メートル地点まで一気にソリを押し出し、加速のついたソリにすばやく乗り込むが、この区間の所要時間は定められている。
- 自分の力で加速できるのは、この時だけで、その後はどんどん加速していくソリを、パイロットがハンドルでコントロールして滑走。ブレーキは停止用でコースを傷つけるため、途中では使用できない。
- ソリは総重量が重たいほど加速がついて有利となるので、そりの重さは2人乗りで選手の体重を含めて総重量390キロ以下、女子は340キロ以下、4人乗りは630キロ以下とされている。
- ソリについている4本の鋼鉄製のランナー(そりの刃)は温かければ温かいほどスピードが出るため、ランナーの温度も定められている。
- 競技は2日間で4回滑走してその合計タイムで順位が決める。タイムは1/100秒まで計測される。
競技の見どころ
ボブスレーは「氷上のF1レース」とも呼ばれており、滑走中の最高速度は時速140キロにまで達し、選手には約4倍の重力がかかる。
スタートして50メートルのスプリントタイム(そりの初速度)、ドライバーの技術、そしてソリ・ランナーの性能に大きく左右される。したがってボブスレーの選手は、体重、筋力はもちろん瞬発力、スプリントタイムをあげる能力などが必要とされる。
歴史
1883年にサン・モリッツでイギリス人がトボガン(木製ソリ)をスポーツ化し、88年に鋼鉄で舵(かじ)と制動機を取り付け、改良して「ボブスレー」と名づけた。
1923年国際ボブスレー・トボガニング連盟(FIBT)が組織されるとともに世界選手権大会が開催され、翌24年には冬季五輪の正式種目になって、シャモニー・モンブランの第1回冬季五輪で行われた伝統ある競技。
日本は1940年(昭和15)に札幌で開催予定の第5回冬季五輪に備えて準備をしたが戦争のため中断、72年(昭和47)の第11回札幌冬季五輪に初出場した。
98年の長野冬季五輪では、男子2人乗りで竹脇直巳、大石博暁組の17位、4人乗りで竹脇直巳、大石博暁、大堀孝、井上将憲組の15位が最高位。
前回の06年トリノ五輪では、男子2人乗りで清川卓、小林竜一組が27位、女子2人乗りで桧野真奈美、長岡千里組が15位に終わっている。
日本代表選手とライバル
男子2人乗りは鈴木寛(マネックスFX)小林竜一(鳥取県体協)組、4人乗りは鈴木寛、小林竜一、宮内優(モンテローザ)土井川真二(日本レストランシステム)組が、女子2人乗りは桧野真奈美(北斗病院)浅津このみ(中大)組が日本代表候補。09年11月のW杯では、米国、ドイツ、スイスなどが優勝している。