カーリング
Curling競技メモ
バンクーバ五輪は
男女とも10チームで争われ、1回戦総当りのリーグ戦で対戦し、上位4チームが準決勝に進む。リーグ戦の成績が並んだ場合は2月24日に行われるタイブレーク戦で準決勝進出をかけ戦う。
競技用語
ヤップ、イエス
(氷を)掃けウォー
(氷を)掃くな
カーリングとは
カーリングは「ストーン」と呼ばれる、取っ手のついた円盤型の石を約40メートル先の円(ハウス)目がけて氷上を滑らせ、その円の中心により近づいたチームに得点が与えられる競技。2チームの対抗で行われ、総合得点で勝敗を争う。高度な戦略が必要となることから「氷上のチェス」とも呼ばれている。
ルール
- 4人ずつの2チームが交互に8回、ストーンを氷上に滑らせる。1回の攻守はエンドと呼ばれ、10エンドまで行われる。各エンドでは4人の選手(リード、セカンド、サード、スキップ)の順に、1人2投ずつ各チームが交互に投げる。リードは1、2投、セカンドは3、4投、サードは5、6投、主将のスキップは7、8投を主に担当する。
- 攻守の順は第1エンドはコイントスなどで決め、以降は前のエンドで勝利した方が先攻となる。得点なしの場合は前のエンドと同じ。エンド終了時に円(ハウス)にある各チームのストーンの中で、相手チームのすべてのストーンより中心(ティー)に近いストーンの数がそのチームの得点となる。このため、エンドに負けたチームの得点は常に0となる。
- 自チームのストーンの距離を伸ばしたり、方向を調整するために氷を掃く(スイーピング)ことができる。スキップは相手チームのストーンをスイーピングできるが、ハウスの中央を横切るライン(ティーライン)より後ろでしかできない。
- 相手チームのストーンに自チームのストーンを当ててハウスからはじき出すことも可能だが、各チームのリードが投げ終わるまではフリーガードゾーンにあるストーンをプレーエリアから出してはいけない。
カーリングの主なショット
ドロー
石をカール(回転)させて円の中などに石を止めるショット。カム・アラウンド
置かれている石の後ろに、軌道が曲線を描くように回り込んで止めるショット。前の石にガードされ、はじかれにくい。フリーズ
円の中にある石にピタリとつけるショット。石がくっついていると、はじき出されにくい。ピール
置かれている石に当てて、自分の石と当てた石の両方ともに円の外に出すショット。円の中に多くの石を残したくない時に使う。ヒット・アンド・ステイ
置かれている石に当て、自分の石は、その場に止めるショット。ヒット・アンド・ロール
置かれている石に当て、投げた石は、他の場所に動かして止めるショット。レイズ・テークアウト
置かれている石に当て、その石で、もう1つの石をはじき出すショット。投げた石と、最初に当てた石は円内に残す。
競技の見どころ
「氷上のチェス」と言われるだけに、両チームのスキップの戦略や駆け引きが最大の見どころ。スイーパーに的確な指示をしてより精度の高いショットにするのはスキップの腕次第だ。また、ピンポイントで狙う高度なショットも魅力で、ハウス内のストーンの動きに注目すればより楽しめる。
カーリングはスポーツマンシップを重んじる競技でもある。相手チームの失策を喜んだりすることは慎むべき行為とされている。途中で勝ち目がないと判断したときは潔く負けを認め、それを相手に握手を求める形で示すという習慣もフェアプレーの表れだ。
歴史
スコットランドで世界最古のカーリングストーンが発見されていることから、15世紀にスコットランドで始まったのではないかといわれている。五輪には98年の第18回長野大会から正式種目となった。日本は長野大会から参加し、男女とも5位で予選敗退。02年ソルトレーク大会でも女子が8位で予選敗退だった。06年トリノ大会では、女子のチーム青森(小野寺歩、林弓枝、本橋麻里、目黒萌絵、寺田桜子)が、長野大会金メダルのカナダ、ソルトレーク大会金メダルの英国を破る活躍を見せた。通算4勝5敗で7位に終わり予選突破はならなかったが、NHK刈屋富士雄アナウンサーが英国戦で本橋を「マリリン」と呼んで話題となるなど、人気が一気にブレークした。
日本代表選手とライバル
09年11月に行われたカーリング女子五輪代表決定戦で、チーム青森がチーム長野を破り、2大会連続の五輪出場となった。メンバーは目黒萌絵(24=富良野高出)本橋麻里(23=常呂高出)近江谷杏菜(20=網走南ケ丘高出)石崎琴美(30=帯広南商高出)山浦麻葉(25=群馬大出)で、スキップは目黒。
2月16日から26日まで、10カ国がメダルを争う。日本は1次リーグで米国、カナダ、中国、英国、ロシア、ドイツ、スイス、スウェーデン、デンマークの順に対戦。1次リーグの上位4カ国が24日からの準決勝に進む。世界選手権の08年優勝のカナダ、同09年優勝の中国が若干リードしているが、上位の実力は伯仲している。日本は08年の世界選手権の準決勝で延長の末、カナダに敗れ、3位決定戦でもスイスに敗れたが、年以来の2度目の史上最高位の4位に食い込んでいる。
男子は09年4月の世界選手権で上位4チームによる決勝トーナメントに進めなかった。この結果、日本は五輪の予選得点で下位にとどまり、五輪出場を逃した。
日本代表決定戦【試合方法】
第1ラウンド - チャレンジマッチ
チャレンジマッチは第25回日本選手権2位のチーム長野と第26回日本選手権2位の常呂高が対戦。2戦先勝方式で行う。
チーム | スコア | チーム | |
---|---|---|---|
第1試合 | ○チーム長野 | 7-5 | ●常呂高 |
第2試合 | ●チーム長野 | 6-9 | ○常呂高 |
第3試合 | ○チーム長野 | 10-8 | ●常呂高 |
※チーム長野が日本代表決定戦へ
第2ラウンド - 日本代表決定戦
08年世界選手権4位で直近の日本選手権2連覇のチーム青森は、シード権が与えられ日本代表決定戦から登場。さらに2勝のアドバンテージを持つ。先に4勝したチームが優勝し、バンクーバー五輪代表となる。チーム青森は2勝すれば優勝。チーム長野は4勝すれば優勝となる。
※チーム青森が2大会連続の五輪出場