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カー娘、ミスショットで自滅/カーリング

喜ぶスイスチームの横を、悔しさをにじませながら引き揚げる本橋
喜ぶスイスチームの横を、悔しさをにじませながら引き揚げる本橋

<バンクーバー五輪・カーリング女子:スイス10-4日本>◇23日(日本時間24日)◇五輪センター

 カーリング女子日本代表のチーム青森が、がけっぷちに追い込まれた。1次リーグで3勝3敗で並んでいたスイスと対戦し、4-10でギブアップ負け。黒星が先行し、自力での準決勝進出が消滅した。ミスを連発し、阿部監督も意図が分からないと首をかしげるようなショットを放つ場面もあった。わずかな望みをつないでスウェーデン、デンマークと連戦する1次リーグ最終日の23日(日本時間24日)を迎える。

 日本は2エンドを残して、力尽きた。第8エンドで2点を奪われ、4-10。スキップの目黒は、相手選手に握手を求めた。ギブアップの意思表示だった。残り2エンドで追いつく可能性はゼロでないが、阿部監督は「ルールブックには、カーリングの精神が書いてある。数字的に可能性はあるけど、現実的な判断です」と話した。

 負ければ、自力での4強入りが消滅する一戦。前回まで2大会連続銀メダルのスイスに、1度も主導権を握れなかった。本橋は「今日は、かみ合ってなかった。自分たちで、形を悪くしていた。どこか、不安になりながら投げている気がする」と言い、近江谷は「アイスを読み切れていなかった。シンプルなところで狂ってる」と指摘した。

 象徴的なシーンは、4失点した第4エンド。ハウス(円)中央に最も近いスイスのストーン(石)ではなく、2番目に近い石を狙ったサード本橋の2投目について、阿部監督は「4点取られたのは、ショットの選択ミス。本橋のセカンドショットは、フリーズ(相手の石にぴたりとつけること)しても意味がなかった。あれは、意図が分からなかった」と振り返った。

 目黒は、この場面について「2点なら、あげてもしょうがないところ。3点以上は取られないように、弱めのフリーズで、1点に抑えようと思った」と説明した。だが、目黒は、最後の1投を痛恨のミス。一挙に4点を奪われ、苦しい展開を強いられた。

 正確性を示すショット率は、日本は4人とも60%台で、スイスは全員が80%以上。後手に回った日本は、難しいショットを出さざるを得なくなった事情があるとはいえ、数字は完敗を如実に表す。1次リーグ3勝4敗。またも黒星が先行し、上位4チームによる準決勝進出が苦しくなった。

 目黒は言う。「悪いところばかり見ず、いいところもあった。きょうは攻めていって点を取られた。あと2試合勝てば分からないので、ショットを立て直したい」。観戦した目黒の母敏子さんは「結果は出ていないが、落ち着いて、責任感は感じている。逃げずに頑張っている」と娘を思いやった。

 残り2戦。スイスが連勝したら、日本の敗退が決まる。他チームの結果次第で、1勝1敗でも準決勝進出の可能性は残る。道のりは険しいが、あきらめてはいなかった。【佐々木一郎】

 [2010年2月24日9時53分 紙面から]


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