ジャンプ
Ski Jumpingジャンプ日本蚊帳の外/ジャンプ
<バンクーバー五輪・ジャンプ:団体>◇22日(日本時間23日)◇ウィスラー五輪公園
日本ジャンプ陣が、お家芸の団体でまたもメダル奪取に失敗した。ベテラン岡部孝信(雪印)を外す新布陣で臨んだが、06年トリノ五輪から1つ順位を上げただけの5位。長野五輪で栄光を極めたジャンプは、3大会連続でメダルなしに終わった。この結果を受け、全日本スキー連盟(SAJ)がカリ・ユリアンティラ・ヘッドコーチとの契約を今季限りで打ち切ることは確実。新ヘッドには日本人を据える新体制で、14年ソチ五輪へ立て直しを図る。
世界から完全に取り残されてしまった。個人2戦で入賞が葛西1人だけの日本は、苦戦は覚悟していたが、1位オーストリアと約100点差と埋めようがない差が開いた。ユリアンティラ・ヘッドコーチは「肉体的、精神的にも足りなかった」と半ばあきらめ顔で話した。トリノ五輪後の4年間の成果は、ほとんど示されなかった。
1回目終了時点で5位。1番手の伊東が129・5メートルと勢いをつけられず、竹内、栃本も大きく飛距離を伸ばせなかった。アンカー葛西が2回目にヒルサイズを越える140メートルで意地を見せたが、順位は5~6位をさまようだけ。失敗ジャンプがあったわけではないが、すでにメダル争いからは蚊帳の外だった。
鳥人ニッカネンを育て、メダル請負人として期待されたユリアンティラ・ヘッドコーチは、コミュニケーション不足で理論が選手に浸透しなかった。五輪に向けて1月から国内調整をしてきたが、今季来日したのはW杯札幌大会の時のみと、行動にも疑問が残った。
SAJの伊藤会長は今季限りで契約満了する同ヘッドコーチの処遇について「現場の人間が現場にいないのでは問題。メダルを取れなかった責任は大きいし、契約は延長する予定はない」と続投を否定した。さらに次期ヘッドについては「日本人で」と、五輪で3大会続いた外国人指導者からの脱却を図る方針を明らかにした。
新ヘッドには、長野五輪で黄金時代を築いた雪印の原田コーチ、斎藤浩哉監督らが候補に挙がっている。SAJ関係者は「長野で結果を残した世代は求心力もある。彼らに要請していくことになるだろう」と話す。伊藤会長も「まだ具体的な名前は言えないが、そういう方向で検討していく」と、長野世代の抜てきを念頭に置く。長年の課題である若手育成とカリスマ指導者の就任が、日本ジャンプ陣復活のカギを握る。【松末守司】
[2010年2月24日9時3分 紙面から]
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