フィギュア
Figure Skating靴ヒモぷっつり織田7位/フィギュア
<バンクーバー五輪:男子フィギュアスケート>◇18日(日本時間19日)◇パシフィック・コロシアム
4年に1度の晴れ舞台で、織田信成(22=関大)が痛恨のアクシデントに見舞われた。終盤の3回転ループでバランスを崩し、手を突いたところで演技を止めた。右のスケート靴のひもが切れていた。「最後まで行けるかと思ったが、全部ほどけた」。1度、氷から上がって結び直して数十秒後にリンクへ。演技を再開し臨んだが、中断で減点2。手をついたことによる減点1も含めて減点3がなければ5位だっただけに悔やまれる。
「ショックすぎて言葉にならない。終わった瞬間は(頭の中が)真っ白という感じ」。以前からひもは切れていたが、替えていなかったという。「試合前で感覚が変わるので、切れたところを結んでやっていた」。会場からは励ますような温かい手拍子がわき起こる中、喜劇王チャプリンを題材にした曲を最後まで滑りきると、苦笑いし「ありがとうございました」とつぶやいて、何度も観客に手を振り、礼をした。
苦闘を乗り越えて臨んだ舞台だった。前回トリノ五輪の代表選考会では、前代未聞の採点ミスで1度は優勝と発表されながら2位と順位が入れ替わり、落選した。その後、酒気帯び運転による出場停止処分で1シーズンを棒に振った。自責の念から1カ月以上も部屋にふさぎ込んだ。腹部や顔にはヘルペスが出た。
再び氷の上に立ち始めた時、新たな喜びを知った。母憲子コーチ(62)に「雲の上に乗っているみたい。この感覚は忘れられないから頑張る」と言った。部屋にこもっていた時に見たアイスダンスのビデオは今の表現力の糧となった。
戦国時代の名将、織田信長の末裔(まつえい)は、先祖の血を受け継ぐように波瀾(はらん)万丈の初五輪だった。「悔いが残る大会になったけど、今日の反省を生かしてまた頑張りたい」。回避した4回転も今後の課題。天下統一は4年後に果たせばいい。【広重竜太郎】
[2010年2月20日9時24分 紙面から]
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