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真央万全重圧なし「金メダルが欲しい」

笑顔でバンクーバー行きの飛行機に向かう浅田真央(撮影・蔦林史峰)
笑顔でバンクーバー行きの飛行機に向かう浅田真央(撮影・蔦林史峰)

 3回転半ジャンプはバッチリ! フィギュアスケート女子の浅田真央(19=中京大)が20日、満面の笑みでバンクーバーへ出発した。国内での滑り込みで万全の状態に仕上がり、「金メダルが欲しい」と明言。23日(日本時間24日)の女子ショートプログラム(SP)を前に、「選手村が楽しみ」と重圧は感じさせなかった。18日にはモーグル女子代表の伊藤みき(22)から選手村の情報収集をするなど、五輪の雰囲気も楽しむつもり。あくまで自然体で初の大舞台に臨む。世界女王でライバルの金妍児(19=韓国)は、浅田より一足早く、19日(同20日)にバンクーバー入りした。

 無数のフラッシュを浴びても、浅田は穏やかだった。出発ゲートでは報道陣の要請に応じて、立ち止まって笑顔で手を振った。気負いのない、リラックスした表情で機内に入った。試合の重圧や緊張感よりも、今は初めての五輪を満喫したいという、気持ちが強かった。

 浅田 いよいよバンクーバーに行く日が来たんだなあという気持ちです。着いたら、いろんな会場を見てもっと自分の気持ちを高めていけたらと思います。選手村が楽しみですね。世界のたくさんの選手と会える機会でもありますし、日本の選手にも会えるのも非常に楽しみです。

 18日には中京大に帰国あいさつに訪れたモーグル女子代表の伊藤と会った。「選手村のことを聞きました。お部屋がすごくいいと言われましたね」と、入村が楽しみで仕方がないようだった。さらに同日には陸上ハンマー投げの五輪金メダリストの室伏とも再会。「握手してパワーをいただきました」と明かした。

 大舞台を前にしての、リラックスした笑顔には理由がある。五輪開幕後も国内で腰を据えて調整してきた。朝6時から夕方6時までの猛練習で、今季苦しんできた最大の武器のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)が完全復調した。

 浅田 (3回転半は)(昨年12月の)全日本(選手権=優勝)の前よりも、(1月の)4大陸(選手権=優勝)の前よりも、調子はいいのでバッチリといった感じ。SPで1回、フリーで2回跳ぶつもりで練習しているので、しっかり決めたい。

 練習の合間には欠かさず五輪をテレビ観戦していたという。3人のメダリストが大きな発奮材料にもなっている。

 浅田 ほとんど全部見ています。特にスピードスケートの男子選手の2人がメダルを取ったので、それを見た時にすごく興奮しました。(フィギュアの高橋の銅メダルには)自分もメダルが欲しいと思いました。やはり金メダルが欲しいと思います。

 五輪会場のパシフィックコロシアムは09年の4大陸選手権などで滑っている。初めて行く場所ではないが「周りのリンクの景色をみながら、しっかり本番のイメージを持って練習したいと思います」。現地の雰囲気、選手村、会場…すべての五輪ムードをパワーに変え、浅田は心身ともに最高潮でリンクに立つ。【藤中栄二】

 [2010年2月21日8時44分 紙面から]


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