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美姫、経験で波乱宣言

記者の質問に答える安藤(撮影・たえ見朱実)
記者の質問に答える安藤(撮影・たえ見朱実)

 五輪は何が起こるか分からない。金妍児が本命視される中、安藤美姫(22=トヨタ自動車)は虎視眈々(たんたん)と金メダルを狙っている。会見で下馬評に絡んだ質問が出ると、金について「素晴らしい選手で、自分に足りないものを持っている。ジャンプの確実性や表現力もある」とたたえた一方、波乱の可能性も示した。

 安藤 五輪は特にそうだと思うんですが、試合がどうなるかは誰にも分からない。今回の男子を見てもそう。それが試合の面白さだと思うので、自分の曲に合わせて、自分の表現、自分のスケートに集中したい。

 今回の女子シングル代表3人のうち、唯一、安藤だけが4年前の五輪を経験した。だからこそ、前回女王・荒川静香さんのような役割を果たしたい思いもある。初めてスケート靴を履いたのは、98年長野五輪の年。その1、2年後、長野のビデオを見て、荒川さんの存在を知った。

 「そこで(五輪に出たいという)夢をいただいた」。一緒にトリノ五輪に出場して夢をかなえたが、夢を与える立場にはなれなかった無念さが残る。「今回は、自分がもらった気持ちと同じように、たくさんの子どもたちに『フィギュアって面白そう』という夢を与えるように滑りたい」。今度は私の番、という自負がある。

 この日は練習を休んで、体調を整えた。鈴木より5日、浅田より6日も早くバンクーバー入りしており、生活のリズムはつかんでいる。米国を拠点にしており、時差の影響は3人の中で最も少ないはずだ。「気持ちの整理が、トリノの時よりできている。SPとフリーでいい方向に向かえば、トリノからちょっと成長したかなと皆さんに言ってもらえる」。2度目の出場ならではの落ち着きと、意欲に満ちあふれている。【佐々木一郎】

 [2010年2月22日8時39分 紙面から]


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