スケルトン
Skeleton父のエール背にスケルトン田山決戦の地へ
日本時間13日に開幕するバンクーバー五輪に向けて、静岡県勢初のスケルトン代表となった富士宮北高出の田山真輔(27=システックス)が11日、父のエールを背に、母の授けたお守りをしのばせ、決戦の地に向かった。そんな温かい家族から、負けず嫌いでやさしい「氷上の危険なイケメン」の素顔を聞いた。
富士山のふもとで育ったスピードスターは、成田空港の出発ゲートで興奮していた。「やっと出発できるというのが今の気持ちです。緊張してきました。W杯も慣れてきて緊張しなくなっていたので、これでようやく『火事場のバカ力』が出せるかなと思います」。いざ決戦の地を前にして、田山は心技体とも充実感を漂わせた。
田山の晴れ姿を誰より楽しみにするのは家族だ。妹の由理さん(19)は「昔から努力していて、でも、なかなか報われなかった。いつかは成果が出てほしいと思っていたので、うれしいです」。弟の勇輝さん(25)も「すごいなって思います」と喜んでいる。
今でこそ外国選手に「危険な男」と呼ばれる田山の最初のライバルが勇輝さんだった。由理さんに「どっち(の兄)が好き?」と尋ねては困らせ、山梨県内の遊園地では、ゴーカート場で競い合った。「暇になるとゴーカート。昔は自分の方が速かったんです」と勇輝さん。田山も負けじと、ハンドルやブレーキ付きのテレビゲームを買ってきて、家で練習しては、また競い合った。「おかげで、私もだいぶ得意になりました」と由理さんは笑った。
誰もが「まじめ」と答える田山の素顔。中高時代から栄養に気をつけ、由理さんが本を読んでいると「目が近いよ」と声を掛けた。「まじめで危険なイケメン」へと成長した息子に、父真広さん(55)は「ラッキーな男です。自分も頑張っているでしょうが、それ以上に周りのおかげ。そこだけは忘れないでほしい」とエールを送った。
出発時、カバンには母和子さん(55)と由理さんから渡された地元富士宮市・浅間大社の「夢」と書かれた黄色いお守りをしのばせた。「練習で本数を重ねて、体に刺激も入れてきた。それをバンクーバーで出せれば、いいところまで行く」と田山。スケルトンの最高成績は、54年ぶりに復活した02年ソルトレークシティー五輪の越和宏の8位。育ち盛りの田山にとって、まずは経験を積む五輪となりそうだが、その順位が10位に近づくほど家族の喜びもまた大きくなる。【今村健人】
[2010年2月12日10時38分 紙面から]
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