スピードスケート
Speed Skating条治が休日返上でスタートの突貫工事
スピードスケート男子500メートルの金メダル候補、加藤条治(25=日本電産サンキョー)が、スランプに陥っていたスタートの突貫工事を敢行した。9日、休日を返上して氷上練習を行った。課題は明白。8日の記録会で失敗したスタートだった。初動の数歩を確認すると、最後はビデオを手にした今村監督を後ろから見守らせて、約70メートルのスタートダッシュを行った。前日のように、よろめくことなくスタートを切った。
前日は「バランスが取れない。最悪の結果です」と弱気な言葉を口にしたが、この日は「今日は集中して出たからミスなくやれた。失敗してないので、たぶん大丈夫」と自信を少し取り戻した様子だった。
今村監督は微調整を図ったことを明かした。「(前日まで)右足をしっかり出すため、右足の位置や開く角度を変えたが、それをやりすぎたかもしれない。今日は元に戻した。スタートは練習でも100%いくことは難しい。80~90%でもいい方。今日はスッキリしたんじゃないか」と復調の手応えを強調した。
あとは本番で無難にスタートを切れるかだ。天才肌の加藤は好不調の波が激しい。今季のW杯も17位に沈んだ翌日に優勝したこともあった。だが、五輪の500メートルは1日2本の合計タイムを競う。同監督が「34秒台を2本そろえたらメダルが来る」と言うように、落差の激しいレースは禁物だ。
一方で、この未知数な部分が、日本勢で最も金メダルに近いと言われる加藤の爆発力でもある。「監督からいろんな提案があるので、いろいろやってみる」。レース寸前まで天才は試行錯誤する。【広重竜太郎】
[2010年2月11日9時39分 紙面から]
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