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長島Wトラブルまさかの37位/Sスケート

<バンクーバー五輪・スピードスケート:男子1000メートル>◇17日(日本時間18日)◇五輪オーバル

 男子500メートル銀メダリストの長島圭一郎(27=日本電産サンキョー)が、波瀾(はらん)万丈の五輪を終えた。上位を狙った1000メートルはスタートでスピーカーのトラブルが発生してやり直しに。約15分後の再スタートも進行が遅れて集中力が続かず、1分12秒71の平凡なタイムで38人中37位のブービーに終わった。日本選手団の応援で現地に残留するため、今季の残りW杯2戦を欠場。今後の去就については保留し、ひとまず戦いに区切りをつけた。

 スタートの号砲が鳴って数歩で長島はレースを止めた。「(フライングの)笛の音が聞こえた」。両手を広げてアピールするが、同走のロボコフ(ロシア)は振り返らずに加速していく。スターターもフライングと判定しなかった。長島は1人、スタート付近に取り残された。

 幻聴ではない。長島が聞いたのは号砲を増幅させるスピーカーのハウリング(共鳴)。審判団が協議して再レースとなったが、約15分後に迎えた一戦で、今度はスタートまでのカウントダウンを示す表示板が不調で2分待たされた。何とかスタートを切ったが、集中力を欠き、最後は完全に足が止まった。昨年の同会場でのレースより2秒も遅い37位に終わった。

 500メートルでは整氷車のトラブルによる約1時間の遅延にも動じなかったが、この日のハプニングは影響大だった。「トラブルを乗り越える力がない。実力不足です」。メダリストの誇りが言い訳を許さなかった。

 だが悔いも隠しきれない。今季のW杯1000メートルは500メートルに比重を置いた影響で総合25位だが、昨季は総合6位で入賞する力は実証済み。「メダルを取ってレース前までテンションが高かったが…。今は悔しい気持ちと半々」。そして「てんぐになったかな。鼻をへし折られた」と自嘲(じちょう)気味に話した。

 残るW杯は欠場のため、今季最終戦となった。かねて「一番いい時に辞めたい」とポリシーを語ったこともあり、進退は微妙。「お母さんと話し合って決めたい」と冗談も口にしたが「今はメダルを取ってテンションが高いので、ゆっくり考えたい」と決断に時間をかける。【広重竜太郎】

 [2010年2月19日8時43分 紙面から]


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