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小平惨敗一転ウルウル5位/Sスケート

<バンクーバー五輪・スピードスケート:女子1000メートル>◇18日(日本時間19日)◇五輪オーバル

 小平奈緒(23=相沢病院)が3位と0秒08差の5位となり、この種目で、88年大会と92年大会の橋本聖子らに並ぶ日本勢最高の成績を挙げた。

 あと100分の8秒速ければ、人生が変わっていた。小平が600メートル通過から追い込み型の真骨頂を発揮。バックストレートで伸び、最後は「ヒザがガクガクした」と全力を使い切ってゴール。1分16秒80はその時点で2位だったが、後続に抜かれて最後は5位。メダルに「あと100分の8秒だった」と悔しがった。

 2日前、今季W杯総合4位の500メートルで12位に沈んだ。リンクで泣いた。部屋に戻っても涙が止まらなかった。同室の38歳岡崎に声を掛けられた。「大丈夫? 気持ちを切り替えないと」。一戦ずつ結果を引きずっていては五輪は戦え抜けない。目が覚めた。

 前日17日は表彰台に上がった昨年11月のW杯ベルリン大会の映像を見て、イメージを膨らませた。通常は「みなさんに幸せになってもらえるように」と、大好きな黄色がベースのサングラスを使用していたが、500メートルの日は「(銅メダルの加藤)条治さんも使っていた」日の丸カラーに変更していた。だが、この日は再び元に戻した。レース前には結城コーチを通じて「父も母もここに来るだけで幸せ。楽しんで奈緒らしく滑って」と、両親の伝言を受けた。自然体に戻り、別人のような滑りを見せた。

 5位は橋本聖子らに並び、この種目では歴代最高タイ。だが、メダルに届かなかったのも事実だ。「表彰台に立った3人を今日はたたえ、私は4年後にそこを目指す」。小平が澄んだ目で言った。【広重竜太郎】

 [2010年2月20日7時31分 紙面から]


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