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日本銀0.02秒、25センチ差/Sスケート

左から田畑、小平、高木、穂積。高木に銀メダルをかけるやさしさを見せた
左から田畑、小平、高木、穂積。高木に銀メダルをかけるやさしさを見せた

<バンクーバー五輪・スピードスケート:女子団体追い抜き>◇2月27日(日本時間同28日)◇五輪オーバル

 よくやった、日本の追い抜き娘! スピードスケートの女子団体追い抜きで、田畑真紀(35)穂積雅子(23=ともにダイチ)小平奈緒(23=相沢病院)で臨んだ日本が銀メダルを獲得した。決勝のドイツ戦は中盤までリードしたが、終盤失速してラスト半周で逆転された。最後は0秒02差、わずか約25センチの差で敗れたが、銀メダルはスピードスケートの日本女子史上最高成績となった。今大会の日本のメダルは銀3、銅2の計5個となった。

 メダルにあこがれ続けた3人が、表彰台の右側に一斉に飛び乗った。あと0秒02、あと約25センチで表彰台の中央に立てた。だが悔しさは胸にしまった。この瞬間だけは、晴れ晴れとした笑顔を見せればいい。最年長の35歳田畑が言った。「最初はものすごい悔しかったけど、それも消えた。メダルがすごく欲しかったので夢みたい」。日本女子が3大会ぶりに獲得したメダルは確かな重みがあった。

 ポーランドとの接戦を制して臨んだ決勝戦。試合前には控室で高木と日本選手団の橋本団長も加わって円陣を組んだ。「死んでこい!」。団長のゲキに気持ちが高ぶる。だが最後は穂積が「頑張っていきましょー、オ~!」と気の抜けた声を発し、笑顔で出陣した。

 栄光は目前だった。中盤1600メートルまで最大1秒72のリード。だがここから長距離を得意とする3人がそろったドイツの猛追を受けた。ラスト200メートルで0秒74差あったが、空気抵抗を受ける3度目の先頭走者を任された穂積が失速。ほぼ同着も、穂積の足がスケート靴1足分にも満たない差で金メダルに届かなかった。穂積は「足がもう少し長かったら…」と悔いたが、羽田コーチは「向こうが強かった」と力を尽くしたことを強調した。

 トリノ五輪は無念の4位。個人種目優先で合同練習の機会がほとんどなかった。一昨年10月から早くも練習の機会を設け、所属の垣根を越えて集結した。日本スケート連盟科学スタッフは、隊列を組んだ時のデータを風洞実験で収集した。単独で滑った時は、空気抵抗が隊列を組んで先頭を滑る時より1・7キロ増すというデータを提示。理論で、スムーズな先頭交代の必要性を訴えた。普通は全員が2回は先頭に立つが、データなどを基に小平が立つ機会を1回減らした。

 メダルを夢見た3人だった。田畑は小1のお祭りで初めてもらった金メダルが忘れられず、約30年のスケート人生を歩んだ。穂積は今年の手帳の1ページ目に「五輪でメダルを取る」と書き込んだ。小平は前回の五輪で5個のメダルを首から下げたクラッセン(カナダ)の映像をDVDで繰り返し見て「やっぱりすごい」と思いを強くした。そしてこの日、橋本聖子、山本宏美、岡崎朋美の銅メダルを超えた。「みんな純粋にまじめに取り組む、スケートに対する思いが強いチーム」(小平)。抱き続けた夢をみんなの力でかなえた。【広重竜太郎】

 [2010年3月1日8時48分 紙面から]


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