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日本「3+2=銀メダル」/Sスケート

<バンクーバー五輪・スピードスケート:女子団体追い抜き>◇2月27日(日本時間同28日)◇五輪オーバル

 「3+2=銀メダル」。観客席の声援にこたえる穂積の両手には、出場機会のなかった高木美帆(15=北海道・札内中)の白い手袋がしっかりとはめてあった。リンクサイドにはW杯までメンバーだった石沢志穂(23=岸本医科学研究所)がいた。出場は3人だが、5人の思いが結実した銀メダル。「サブの高木、W杯に出場した石沢も含めて5人で取ったメダル」と力強く言い切った。

 銀メダルでも「不思議ちゃん」ぶりは変わらない。会見で感想を聞かれると「ドイツとコンマ02差だったと知って、少し悔しいですけど初の金メダルなので素直にうれしい」。しばらくして間違いに気づき「あ、銀メダルです」と苦笑いで訂正し、周囲を和ませた。過去にはカップめんの早食い大会で23個を3分で完食して優勝、じゃがいも1年分をもらったこともある。母静子さんは「よく食べる子だった。何かあれば『焼き肉食べたい』と言っていました」。チームに不可欠な癒やし系キャラだ。

 スケート人生は決して平たんではない。社会人1年目のトリノ五輪前に2度骨折し出場を逃した。エックス線写真を家に持ち帰り、号泣した。06-07年シーズンに初めてW杯に出場したが世界との距離を痛感し、がくぜんとした。「自分が変わらなきゃと思った」。食事の量を減らして野菜やビタミンCを摂取するようにし、一時65キロだった体重は57キロまで落とした。

 4年前に届かなかった舞台で、3000メートルで6位、5000メートルで7位と2種目で入賞。先輩の田畑の陰に隠れてきたが、ひた向きに走り続けて中長距離のエースに成長した。「世界の頂点に立つためにすべてを変えていかないと。力をつけてしっかり(今大会の)借りを返したい」。さらなる高みを目指して4年後に向け歩き出した。【松末守司】

 [2010年3月1日8時49分 紙面から]


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