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技術の日本に合う風と台

2010年2月12日

 ジャンプは、欧州勢に多いパワー型と日本人に代表されるテクニック型の2つに大きく分けられる。風の強いバンクーバーの台は、どちらかと言えば、テクニック型の日本人向きの台になるだろう。

 パワー型は空中に飛び出すときの踏み切りの力強さ、テクニック型は空中で風をうまくとらえるのが特徴だ。日本人は風を利用する技術は世界でも一番。いい向かい風に当たれば、欧州勢なら10メートルだが、日本人は12メートル飛距離を伸ばせる。特に葛西や伊東はその技術に優れているので、バンクーバーなら期待ができる。

 なぜ日本人はテクニック型の選手が多いか。それは札幌・大倉山でトレーニングしているから。風が強いので、自然と風に対応できる能力が身につく。初戦のノーマルヒルも日本人向きだ。HSが106メートルと札幌・宮の森より4メートルも大きい。それだけ空中にいる時間も長く、技術を駆使できる。

 ジャンプはなぜか強い選手にいい風が吹くことが多い。これは科学では証明できない。そういう意味では、風が一定しない荒れ気味の試合展開になれば、日本勢にチャンスは広がる。(長野五輪金メダリスト、雪印コーチ)


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評論家・原田雅彦
原田雅彦(はらだ・まさひこ)
 1968年(昭43)5月9日、北海道上川町生まれ。東海大四高−雪印。93、97年の世界選手権で金。五輪はアルベールビルから5大会連続で出場。94年リレハンメル大会で団体銀。98年長野大会で団体金、ラージヒルで銅。W杯通算9勝。06年引退。家族は恵子夫人と1男1女。

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