ラージヒルには分がある/ジャンプ
2010年2月15日
<バンクーバー五輪・ジャンプ:個人ノーマルヒル>◇13日(日本時間14日)◇ウィスラー五輪公園
ウィスラーのジャンプ台はヒルサイズ(HS)が106メートルと、ノーマルとラージヒルの中間のような大きな台。助走スピードも87キロ台と速かった。ラージヒルの札幌・大倉山でもたまに出るスピードだ。こういう台は世界中どこにもなく、どの選手も飛ぶのに苦労していた。
タイミングが早いと後半まったく浮力を得られず、同じ失敗をするならまだタイミングが遅いほうが、被害が少ない。そのため、葛西くんらは、踏み切りが少し遅かった印象を受けた。そうした影響から、飛び出しにいつもの力強さが見られなかった。これが日本勢が優勝争いに必要なヒルサイズまでいかなかった大きな理由だろう。ただ、ラージヒルは空中で風をつかむのがうまい日本人にもう少し分がある。ノーマルヒルよりは期待できる。
優勝したアマンはソルトレークシティー五輪から8年、多少の浮き沈みがありながら一線級を維持しているのが素晴らしい。普通は金メダルを獲得するとてんぐになるが、そういうところもまったくない。コーチら周囲の教育もいいのだろう。人柄も金メダル級だ。(長野五輪金メダリスト、雪印コーチ)
※日記を書く方法はこちらで紹介しています。