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小塚崇彦 表現力、4回転、肉体全て成長

2009年9月29日

 フィギュアスケート男子小塚崇彦(20=トヨタ自動車)の五輪シーズンが幕を開けた。「去年まではジャンプが重点だったけど、今年は表現力に磨きをかけた。鏡を見ながら『ニッ』という笑顔をたくさん作った」。26日開幕の中部選手権(愛知)では、ジャンプのミスはあったものの危なげなく優勝した。
 昨季は10月のスケートアメリカでGP初優勝し、12月のGPファイナルでは日本人最高位の2位。今年2月の4大陸選手権は3位、3月の世界選手権は6位と尻すぼみに終わったが、その結果には納得していた。
 小塚 昨季は名前を売ることが目的でしたから最初から飛ばした。後半はキレがなくなったんですが、それで良かったんです。今季はその経験を生かして(12月の)全日本選手権、五輪に向けて調子を持って行けるようにゆっくりと調整しようと思いました。
 振り付けを担当する94年世界選手権金メダリスト佐藤有香さんも「五輪がピーク。シーズンは長いからゆっくりスタート」という方針で、これまでより約1カ月遅い6月からプログラム作りを始めた。フリーの冒頭には、昨季ことごとく失敗した4回転ジャンプが組み込まれている。
 小塚 4回転はもう確率よく跳べています。全体的に滑り込みは必要だけど、昨季で名前は覚えてもらった。五輪まで安定した演技ができれば、今年の小塚崇彦のプログラムはいいと思ってもらえる。
 昨季を終えて完全休養は3日だけ。6月までは陸上トレーニングで上半身を鍛えた。細身の体は、服のサイズがMからLに変わるほどたくましくなった。
 小塚 昨季は体幹と下半身を中心に鍛えて、ジャンプに安定感が出て、それが結果につながった。今年はバランスを取るため、少しずつ上半身も鍛えました。ジャンプのキレや高さは下半身ですが、回る速さは上半身も使う。両方がマッチした時にいい成果が出ると思います。
 高橋大輔がケガで休養。織田信成が酒気帯び運転で謹慎。その間に急成長したが、2人が戻っても、ひるむつもりはない。
 小塚 最近、カラオケで君が代を歌うことがはやってるんです。
 それはまるでバンクーバー五輪の表彰台の予行演習のように思えた。【吉松忠弘】

 ◆小塚崇彦(こづか・たかひこ)1989年(平元)2月27日、名古屋市生まれ。5歳からスケートを始め、05年にジュニアGPファイナルで日本人男子として初優勝。06年世界ジュニア選手権優勝。昨季はスケートアメリカ優勝、GPファイナル2位、世界選手権6位。中京大中京高を卒業後、トヨタ自動車に所属しながら中京大に在学。全日本選手権で3連覇した、68年グルノーブル五輪代表の父嗣彦氏をはじめスケート一家。170センチ、60キロ。


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