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あり得ない…真央のミス

2010年2月27日

<バンクーバー五輪:女子フィギュアスケート>◇25日(日本時間26日)◇パシフィック・コロシアム

 すばらしい戦いでした。金選手の集中力と精神力には脱帽です。あれだけ気持ちが強い浅田選手でもミスが出てしまうほど、五輪の舞台は高い緊張感を強いられます。その中で、金選手のあの演技には、まいったとしか言いようがありません。

 浅田選手の2度の3回転半の成功は見事でした。もう少し基礎点が高ければと個人的に思ってしまったほどです。しかし、演技後半の3回転フリップ、3回転トーループにミスが出てしまいました。特に3回転トーループは、左足のつま先をついて跳びますが、その行程前に先にかかとをついたことで跳び上がることができず、跳び直しをしています。一般的にもあまりないミスで、いつもの浅田選手ならあり得ないことです。

 このトーループは、右足に体重を乗せながら、前に出していた左足を後ろに持って行きます。しかし、この日の浅田選手は、右足に体重が乗る前に、すでにバランスが崩れていました。このジャンプの前に、3回転フリップを失敗していることもあり、気持ちに揺らぎが出てしまったのでしょうか。

 今でも、浅田選手の演技構成は非常に高いレベルです。これをさらに磨いて行くには、現在のルール上、出来栄え点を上げること、あらためてジャンプの種類を増やし、確実に飛べる作業を行う、などできることはたくさんあると思います。もし、この日のジャンプがすべて成功していれば、演技全体の勢いや表現力、芸術点もさらに上がったと思います。浅田選手は、まだまだ伸びる力を秘めています。(カルガリー五輪代表。プリンスホテル所属)


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評論家・八木沼純子
八木沼純子(やぎぬま・じゅんこ)
 1973年(昭48)4月1日、東京都生まれ。5歳でスケートを始め、88年世界ジュニア銀メダル。同年カルガリー五輪代表となり、94年NHK杯では3位に食い込んだ。95年世界選手権を最後にアマチュアを引退しプロに転向した。元内閣総理大臣の松方正義の玄孫。早大卒。159センチ。

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