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岡田良菜 根性娘「やラナいと恥ずかしい」

2009年10月16日

 スノーボード・ハーフパイプ(HP)のW杯は来月4日、スイス・サースフェーで開幕する。全日本チームは現在、ニュージーランドで合宿中。その中に、ひときわ高く跳び上がる女子選手がいる。18歳の岡田良菜(フッド)は、若手選手の中では、10年バンクーバー五輪代表に最も近い位置にいる。
 HPの試合に出場するようになってから、まだ6年しかたっていない。06年トリノ五輪の当時は無名だったが、今は国際舞台で戦える実力を備えてきた。今年1月の世界選手権は8位、2月のW杯ストーンハム大会は3位、3月の全日本選手権は初優勝。トリノ五輪代表コンビの山岡、中島を脅かす存在に成長した。
 強くなった一因は、試合のたびに成長を実感できないと気が済まない性格にもある。「大会に出て(以前と)同じ技やったらすごい恥ずかしいんですよ。こんなに、ずっと滑ってるくせに、何も変わってないやんと思われるから」。
 雪国ではない、滋賀県大津市で育った。愛媛県松山市の室内ゲレンデ「アクロス重信」などへ武者修行に出向き、腕を磨いてきた。今年6月の練習中のこと。ブーツが壊れて、うまく滑れず、一度はコースから上がった。しかし、見学しているうちに我慢できなくなり、粘着テープでブーツをぐるぐる巻きにして、再開したこともあったという。
 「根性は、ありますね。怖いのは好きじゃないんですが、ここでやらんかったら恥ずかしいなと思うんです」。中学時代は陸上部で、走り幅跳び県大会7位。スポーツテストは、50メートル走、立ち幅跳び、前屈、ソフトボール投げが学年1位だった。野球もサッカーも好きで、スポーツ万能だが「(実技の)成績はめっちゃいいんですけど、あんまり(先生の)話を聞いていないので『5』にはならないんですよ」という天然娘だ。
 スノーボードの五輪代表は、今季のW杯成績などを加味して選考される。まだ代表枠もはっきり決まっていないが、将来のエース候補であることは間違いない。珍しい名前の「良菜」は、母・匡代(まさよ)さん(36)が、アニメ「未来少年コナン」の登場キャラの「ラナ」から取ったもの。アニメのラナはテレパシー能力の持ち主で、コナンと一緒に冒険に立ち向かう。雪上の良菜は、抜群の運動能力と根性で、世界舞台に挑戦する。【佐々木一郎】

 ◆岡田良菜(おかだ・らな) 1991年(平3)1月5日、滋賀県大津市生まれ。小2でスノーボードを始め、ハーフパイプの試合は中1の時に初出場。06年11月からW杯に参戦し、今年2月のストーンハム大会で3位。3月の全日本選手権で初優勝した。家族は両親と弟。愛猫の名は「シマチョー」。163センチ、51キロ。


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