メダルに近いのは団体、岡部は必要
2010年1月10日
日刊スポーツでは、バンクーバー五輪ジャンプ競技の解説者に、98年長野五輪団体金メダリストの原田雅彦氏(雪印コーチ)を起用します。本番の五輪はもちろん、国内大会などで随時紙面に登場します。まずはこの日のコンチネンタル杯で7位に入った岡部を取り上げます。
この日の岡部はベストの5〜6割の出来だった。それでも1回目に130メートル、8日の大会も3位に入るのだから、持っているポテンシャルがほかの選手とは違う。身にまとっているオーラも違う。これも経験のなせるわざだろう。
もともとは飛び出す瞬間に、腰を使うのが岡部のスタイル。腰を進ませるようなイメージで踏み切る。その生命線といえる腰に違和感があったのだから、W杯遠征で調子を落とすのは無理もない。国内に戻って腰の状態もよくなってきた。それが、この2日間の成績に表れている。
自分はアバウトに感覚で飛んでいたタイプだが、岡部は針の穴に糸を通すような繊細な技術の持ち主。野球でいうならばホームランも打てるイチローだ。問題点を1つずつクリアしながら、レベルアップを図っていく。腰さえ戻れば、あとは微妙に狂っていたジャンプを修正していくだけ。今後、国内でみっちり調整する時間もある。五輪には十分間に合う。
10日にも五輪代表メンバーを固めるが、完調といえない段階でここまで飛べる岡部に「清き一票」を入れることに異論はないだろう。個人2種目と団体の3種目で最もメダルに近いのは団体。そのために岡部は必要な戦力だ。(長野五輪金メダリスト、雪印コーチ)
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