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けがの功名で開拓「表現力」/安藤美姫4

2010年1月16日

 バンクーバー五輪まであと1年を切った昨季終盤、安藤美姫は「表現力」という新境地を開拓した。

 09年3月の世界選手権(米ロサンゼルス)。安藤は4回転や2連続3回転という高難度のジャンプを跳ばずに浅田真央の4位を上回る3位に入った。合計190・38点は、ショートプログラム(SP)とフリーで、2連続3回転を2度決めて優勝した2年前の同選手権の得点に4・71点差と迫る高得点だった。「メダルを取りたいと思って取れたので意味がある。やっとカムバックできた」。引退まで考えた前シーズンのショックは癒え、五輪に向けて手応えを感じた。

安藤美姫4
09年3月28日 世界選手権で3位入賞した安藤(右)。中央は優勝の金、左は2位のロシェット

 けがの功名だった。世界選手権が開幕する約3週間前の練習中に、左太もも裏を痛めた。大会1週間前まで、ほとんどジャンプの練習ができなかった。その1年前、08年世界選手権(イエーテボリ)では、同じ左足の故障でフリーの演技中に棄権している。その悪夢が頭をよぎったが、モロゾフ・コーチはジャンプに代わる「表現力」という新たな選択肢を示してくれた。

 安藤は「(モロゾフ氏と)3年間一緒にリンクに立ってきて初めて、『お前は何もやっていない』とか『日本に帰れ』とまで言われた」と振り返る。SP4位で迎えたフリー当日の練習を終え、2連続3回転を跳びたいと直訴すると「4分間でどう表現できるかが大事。それが分からないなら出る必要はない」。ジャンプだけにこだわってはいけない。そう説得された。

 2季ぶりに世界選手権の表彰台に立った安藤は「ジャンプだけじゃないことを理解できた。成長できたかな。五輪で上がれるように頑張りたい」と笑みを浮かべた。高難度のジャンプに頼らなくても五輪の表彰台をハッキリと意識できた、価値ある銅メダルだった。(つづく)【高田文太】


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冬のヒロイン
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バンクーバー五輪代表の女性アスリートを取り上げた日刊スポーツ紙面連載です。

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