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トリノ前に3Dエア完成/上村愛子4

2010年1月22日

 02年ソルトレークシティー五輪を6位で終えた上村愛子は、4年後へ向けて順調に滑り出した。五輪の翌3月に行われた世界選手権では銅メダルを獲得。翌シーズンには、03年1月のW杯で初勝利を挙げた。だがこの後、ルール改正の波に巻き込まれ、大きな挫折を味わうことになる。

 02-03年シーズンから、縦回転系の技、3Dエアが解禁になった。03-04年の開幕戦、上村はがくぜんとした。ライバルたちは、バックフリップ(後方1回転)を身につけていた。技の開発にはシーズンオフの練習が不可欠で、最初からハンディを背負う形になった。「今シーズンは、早く終われって、思っていました」と振り返るほど、打ちのめされた。このシーズンは、1度も表彰台に上がれないまま終わった。

上村愛子
05年2月11日、3Dエア「コークスクリュー720」を披露する上村愛子

 挽回(ばんかい)を期したオフは、新技に取り組んだ。回転軸を斜めにして2回転する3Dエア「コークスクリュー720」に挑戦した。「リスクは大きいけど、3Dの技をやっていかないと勝てませんから」。04-05年シーズンは、開幕戦からコークスクリューを飛び続けた。難度が高く、実戦で使うのは上村だけ。失敗が続いても、決してやめず、他国の関係者に「アイコは、タフだな」とあきれられた。

 完成したのは、シーズン終盤、05年2月のW杯ボス大会。エアがピタリと決まり、約2年ぶりの優勝を飾った。「新しい技が決まったら、すごい結果が出るんだなと確信しました」。翌06年のトリノ五輪へ向け、上村は強力な武器を手に入れた。(つづく)【佐々木一郎】


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冬のヒロイン
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バンクーバー五輪代表の女性アスリートを取り上げた日刊スポーツ紙面連載です。

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