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荒川の金演技からヒント/上村愛子5

2010年1月23日

 98年長野五輪7位、02年ソルトレークシティー五輪6位。06年トリノ五輪でのメダル取りへ向け、上村愛子は、とっておきの武器を身につけた。3Dエア「コークスクリュー720」(軸を斜めに2回転)は、女子ではほとんどできる選手がいなかった。だが、終わってみれば5位。4年かけて、また順位を1つ上げたが、表彰台には立てなかった。

 このシーズン、五輪までのW杯5戦のうち、3戦を欠場し、残る2戦は10位と15位。練習中に転倒して、腰やひざを痛めるなど、遠征先からの緊急帰国が2度もあった。五輪では体調も戻ったが、実戦感覚を欠いていた。3Dエアはきれいに決まったが、全体的な完成度が足りなかった。

 それでも、やれることはやった自負がある。レース後「どうやったら五輪の表彰台に上がれるのか、またナゾです」と言った。これから、どうすればいいのか? もんもんとする日々が続いたが、思わぬところにヒントを見つけた。フィギュアスケートで金メダルを獲得した荒川静香の演技だった。

 ガチガチに力む自分の滑りに対し、荒川のそれは、伸びやかで余裕があった。素人目にも、金メダルにふさわしいように見えた。日本に帰国後、翌3月の活動報告会で上村は言った。「完ぺきな演技を見せないとメダルは取れないと思った。だから、この1年はターンやエアの基礎を見直したい」。大技を封印し、基本から出直すことを決めた。(つづく)【佐々木一郎】


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冬のヒロイン
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バンクーバー五輪代表の女性アスリートを取り上げた日刊スポーツ紙面連載です。

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