五輪までウソついて過ごすことができなかった/上村愛子7
2010年1月25日
バンクーバー五輪のシーズンに入る前、上村愛子は大きな決断をした。交際して丸2年の記念日だった09年6月11日、アルペンスキーの皆川賢太郎と結婚した。同日の記者会見で皆川は「自分たちが、五輪までウソをついて過ごすことができないことが一番の決め手です」と説明した。
上村は、08年のクリスマスにプロポーズを受けた。隠すつもりはなかったが、公表しないことで、一部週刊誌に同居を報じられるなど、居心地の悪さを感じていた。競技に集中するためにも、あえて五輪前の結婚を決めた。その後2人は、互いについて堂々とコメントし、皆川が遠征に出発する時には、上村が成田空港まで見送りにくることも珍しくない。
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- 昨年6月、結婚報告会見を行う上村愛子と皆川賢太郎
上村 賢太郎さんは結婚の前も後も変わらないように見えるけど、私が変わっているかもしれない。安心感もあるし、信頼感が毎日強くなるみたいな感じがある。頑張りすぎなくなってきている。自然体の自分でいいんだなと思えるようになっています。
今年の元日、皆川は転戦のために欧州へ出発した。上村も遠征が相次ぎ、五輪まで2人は会うことがない。バンクーバーでの試合は、上村が2月13日、皆川は同27日。モーグルの代表選手たちは17日に帰国するが、上村は現地に残って、夫の応援をすることに決めた。挙式・披露宴について考えを巡らせるのは、五輪後になる。今はまだ、妻の顔でなく、勝負師の顔を崩さない。(おわり)【佐々木一郎】
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