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短時間練習に物足りなさ/浅田真央8

2010年2月04日

 浅田真央は、コーチ不在で優勝した08年3月の世界選手権(スウェーデン)後、バンクーバー五輪のプレシーズンに向けて新しいコーチを探した。前シーズンのショートプログラム(SP)の振り付けを担当した、ロシア人のタチアナ・タラソワ氏に決まったのは6月。やや出遅れたが、02年ソルトレークシティー五輪男子金メダリストのヤグティン(ロシア)らを育てた同氏の指導に、周囲の期待は高かった。

浅田真央
09年8月、会見する浅田とタラソワ・コーチ

 8月に行われた、愛知・中京大での約10日間の合宿から、浅田は本格的に指導を受け始めた。午前と午後、各2時間の練習。その合間には、北京五輪をテレビ観戦し「五輪で金メダルを取るのが夢。自分もこうなりたい、と思って見ていた」と刺激を受けた。タラソワ・コーチも「しっかりと準備をし、仕事をすれば結果はちゃんと出る」と、自信たっぷりに話していた。

 だが、11月のフランス杯は納得できるような演技ではなかった。フリーで7つのジャンプのうち4つでミスするなど、シニア転向4シーズン目で自己ワーストの167・59点。順位は2位だったが、優勝したロシェット(カナダ)には13・14点の大差。大会翌日には1日最大4時間程度という、短時間集中型の練習量への物足りなさを口にした。もともと多い日は1日8時間もリンクに立つほどの練習の虫。「今回はロシアのやり方でトライしてみようと思っていたけど、自分が『こうやりたい』とかの希望を、これからは言っていきたい」と話した。

 五輪を見据えたコーチ探しが難航し、始動が遅れた。それまでの調整法と違うにもかかわらず、意見交換が不十分のままシーズンに突入した。それらによる出遅れを取り戻そうと、フランス杯後、ロシアで緊急合宿に入ることになった。(つづく)【高田文太】


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冬のヒロイン
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バンクーバー五輪代表の女性アスリートを取り上げた日刊スポーツ紙面連載です。

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