成熟の美姫、余裕の高橋/GPファイナル
2009年12月05日
安藤選手はバランスの良く取れた演技だったと思います。予定した連続3回転ジャンプは3回転+2回転になりましたが、ジャンプ以外の技術や表現力は、より熟成し、間違いなくグレードが上がっていました。
連続3回転ジャンプは、最初のジャンプの着氷が斜めになっていて、あれでは連続3回転は難しい。とっさに2回転にしたのは正しい判断。ミスを想定し、密度の濃い練習を積んだことがうかがえます。ミスしても、ほかの部分で得点を取れるように、細かく分けた練習を行っているのでしょう。そうすれば、今日のような小さなミスが出ても大丈夫。それが、今の安藤選手の強みです。
金妍児選手は、五輪を意識し始めて緊張が出たのではないでしょうか。世界女王とはいえ、浅田さんと同じ19歳。緊張しても無理はありません。
高橋選手は、見ていてゾクゾクするような演技でした。特にジャンプは、いつもより高く、余裕があることに驚きました。踏み切り前から回転するのではなく、空中で回転し始める理想的な形です。ケガからのリハビリとともに、股(こ)関節の可動域を広げる肉体改造も行ったと聞いていますが、その成果が出たと思います。今回の演技なら、五輪でも十分に金メダル争いに絡めます。(カルガリー五輪代表、プリンスホテル所属)
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